今回は豆など抽出条件が同じでも、抽出方法の違いで本当に味が変わるのかを実際に飲み比べをしてみた結果をお伝えしていきます。
抽出方法は詳しくは後述しますが、
- 透過法
- 半透過法
- 浸漬法
の3種類の方法でドリップしました。
これらは全てハンドドリップと言われるカテゴリーに入っていますが、抽出の理論が全く違うということでこの3種類をピックアップしてみました。
ハンドドリップで使われるドリッパーはいろいろな種類のものがあります。
どのドリッパーがどういった特徴があるのかというふうに悩まれている方も多く、私のところにもこのドリッパーはどういう入れ方をすればいいんですか、という相談をされることがよくあります。
もちろんドリッパーそれぞれ固有の世界観持って ますからどれがいいとか悪いとかではないですし、このドリッパーにはこの入れ方しないといけないという決まりは正直ありません。
こういった悩みを解決するために今回はこの3種類の抽出方法を利用したコーヒーの味の違いについて実際に飲み比べを行って、その違いをお伝えしていきます。
3種類の抽出方法
今回は3種類の抽出方法を比較しました。まずはそれぞれの特徴から解説していきます。
透過法(フラワードリップ)
透過法は基本的にはある程度速いスピードで透過していくことになります。
透過法のドリッパーはいろいろあって、例えばKONO式の「ダイヤモンドダスト86」や「ハリオV60」なんかは有名ですね。
今回は透過法の中でも特に速いドリッパーの「フラワードリッパー」を使用してみました。
半透過法(透過法と浸漬法の中間:メリタ式)
半透過法では、底に開いた3つの穴から比較的早めにお湯が出ていって、スピード自体も注ぎ方のテクニックで結構調整がききます。
家庭でも美味しく安定して作れるし、プロが自分らしい味を作るというところにも対応できたりするのでカリタ式は専門店でも採用されているところが多いです。
浸漬法(クレーバードリップ)
浸漬法で「クレーバードリッパー」というのを使用します。
ドリッパーの底にギミックがあって液体が外に漏れ出ずに溜まり、何かの上に置くと下の穴がパカッと開いて一気に抽出されたものがセパレートする仕組みになっています。
例えば「サイフォン」も漬け込むような感じで抽出するので浸漬法ですし、フレンチプレスやエアロプレスも同様です。
そして使うペーパーはすべて「純正のアバカフィルター」です。
このアバカフィルターは「目の粗さ」や「クレープの深さ」で様々なスピード感を表現しているところが面白いところだったりします。
抽出条件
続いて「抽出条件」です。
コーヒーの種類は浅煎りのスペシャルティコーヒーなのか、古典的な深煎りコーヒーなのか、そして焙煎してから何日なのか全然変わってきてしまいます。
今日は全ての道具に対して公正に反応が起こるようにという考え方に基づいて「ブレンドコーヒー」を使用します。
- ブラジル No.2
- コロンビア エクセルソ
- エチオピア モカG1
これらを1:1:1で混合し、1週間熟成させたものを使用。(中粗挽き)
20gの粉に対して300ccのお湯を注ぐ(注湯量で考える)
それぞれの抽出方法ごとに常識的な抽出時間で
抽出温度は一般的な90℃で
3種類の抽出方法による味の違いを比較
それではひとつずつ抽出方法による味の違いについて実際に飲み比べてみた結果をお伝えしたいと思います。
透過法(フラワードリップ)
透過法のコーヒーではエチオピアのあたりが結構はっきりと感じられました。
軽やかで華やかでなんだか明るい気持ちになるような感じの味がします。
半透過法(透過法と浸漬法の中間:メリタ式)
半透過法で抽出したコーヒーでは、ブラジルとコロンビアの少し真ん中より下の成分がまろやかに表現されてる非常に甘みが強い感じがしました。
エチオピアはあまり感じられなかったです。味の感じはまろやかで柔らかいというのが率直な感想です。
半透過法から感じるコーヒーの優しさは霧がかかったような不透明な感じで、これが柔らかさと優しさを生み出している感じがします。
浸漬法(クレーバードリップ)
浸漬法なだけあって見た目の色は一番濃い気がしますね。
浸漬法でドリップしたコーヒーは豊かな成分が全部表現されていて、深みとか豊かさが一番強く出てました。
この浸漬法のコーヒーは1日の仕事全部終わって、食事も済ませてソファーとかに深々と腰掛けながら、ゆっくり過ごしてる時に飲みたくなるような感じでした。
浅煎りのエチオピアのニュアンスはもちろんなくはないんですが、ベースになってるブラジルの深煎りのコーヒーの油のニュアンスが非常に強く出ていて、広さや深さが一番強いといった印象です。
まとめ
3種類の抽出方法「透過法」、「半透過法」、「浸漬法」によるコーヒーの味の違いをお伝えしてきました。
これらはどれが一番いいといったものではなく、あくまでみなさんの味の好みにあったものを選択するのがベストです。
ぜひあなたの好みの抽出方法を見つけてみて下さいね。