「魅力あふれる天草を活性化させたい」 コンサル会社設立目指す 長谷怜紀さん

「魅力あふれる天草を活性化させたい」 コンサル会社設立目指す 長谷怜紀さん

【令和に咲く】新時代担う若者に同世代の記者がインタビュー

長谷怜紀さん

地元有志と事業内容の打ち合わせをする長谷怜紀さん=天草市

熊本日日新聞社の「平成生まれ」の記者たちが、IT業界やアート、音楽など、さまざまな分野で挑戦を続ける、熊本県出身や在住の同世代の若者を取り上げる連載「令和に咲く」。

今回は、天草市でコンサル会社設立を目指す、長谷怜紀(ながやさとき)さん(30)を取材しました。記事と写真は天草総局の米本充宏記者(24)が担当しました。

アマビズで1年半 形ないものを形にする喜び、たまらない

アマビズ

天草に移住したきっかけとなったアマビズで、4月まで副センター長を務めた

天草市の市起業創業・中小企業支援センター「Ama-biZ(アマビズ)」の副センター長の仕事は、市民からの相談を受け、事業を企画、提案することだった。2017年10月から副センター長を務めた長谷怜紀さん=天草市=は今年4月、契約期間満了を前に辞職した。アマビズでの経験を生かし、天草で地域おこしのコンサル会社を立ち上げるためだ。

アマビズでの約1年半-。「民泊を始めたい」という60代女性には手続きを整理し、情報発信の仕組みをつくり開業を後押しした。「出荷量を増やしたい」という柑橘農家には地元企業と結び付けたり、ネットショップの開設を支援したりして、販路を拡大させた。

北海道函館市出身。「天草と函館は似ている。観光でにぎわう一方で、人口が減り続けている」と分析する。アマビズの仕事は、インターネットで見つけた。「天草四郎に関係があるところ」くらいの認識しかなかった天草に、すっかり魅了されてしまった。

「形のないものを形にできたときの喜びがたまらなかった」。この経験が、天草で起業する考えに発展した。「人、自然、食べ物。魅力に満ちあふれた地域を活性化させたい」

人脈づくりに全国奔走 「天草に役立つ事業仕掛ける」

打ち合わせをする長谷さん

天草市でフレンチレストランの経営者と商品開発の打ち合わせをする長谷さん(右)

辞職後は貯金を切り崩しながらの生活になったが、会社設立後を見越して東京や福岡、岡山などを訪れ、人脈づくりに奔走した。

天草のフレンチレストランと一緒に地元ブランド豚「ロザリオポーク」のテリーヌも開発し、全国に売り出した。今後は、生産者や事業者らと意見交換しながら「持続可能な事業」へと成長させる考え。新会社の柱の一つにもするつもりだ。

天草の人口減少や高齢化が簡単に食い止められるとは思わない。しかし、SNSなどをフル活用して情報を発信することで、交流人口を増やしたり新たな産業を創出したりできる可能性はあると思っている。

会社の名前は「あまくさローカルラボ」。設立は10月末。「天草に役立つ事業を次々に仕掛けていく」。いつか成功事例を引っ提げて、函館に凱旋することが目標だ。

(2019年10月4日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

長谷怜紀(ながや・さとき) 略歴

あまくさ丼丼フェア

天草市で開催中の「あまくさ丼丼フェア」で、昨年に続き全店制覇を目指しているという長谷さん(長谷さん提供)

1989(平成元)年生まれ。立命館慶祥高-立命館大卒。東京で人材を仲介する仕事や、IT関連、広告業界に勤務後、天草に移住。

〈取材を終えて〉  ビジネスの今後、楽しみ

米本充宏記者

長谷怜紀さんに今後のプランについて取材する米本充宏記者

実を言うと、都会での生活や仕事に憧れていた。けれども天草に赴任してみると、のんびりとして、自然に囲まれた風土が気に入ってしまった。天草には、就農や子育てなどに、新たな価値観や可能性を求めて移住する若者も少なくない。取材中、長谷さんは「地方のために何かしたいと思う人材こそが必要」と繰り返していた。長谷さんのビジネスに若者たちがどう絡んでくるのか、楽しみだ。(米本充宏)

CATEGORIES
TAGS