天草・通詞島産の塩を扱う「ソルト・ファーム」 おいしさに魅了された元アナウンサーが起業

天草・通詞島産の塩を扱う「ソルト・ファーム」 おいしさに魅了された元アナウンサーが起業

唐人町通りにある「ソルト・ファーム」=熊本市中央区

私たちの生活、命に欠かせないもの。調味料の王様。「ソルト・ファーム」(熊本市中央区中唐人町)の小出史(こいで・ふみ)取締役は塩についてこう語る。天草の通詞島(つうじしま)で生産する塩を扱う。

近くでイルカが泳ぐ通詞島では、古代の製塩土器が見つかっている。きれいな海で作った塩は、人間の体が元々求めている味だから、体にすっと入る、素材の素晴らしさを引き立てる。

塩は「天日塩」「釜炊き塩」の2種類を販売する。「天日塩」は海水を太陽にさらして蒸発させ塩を作る。舌触りはざらっとしている。ステーキや天ぷらに添えたり、お吸い物の味付けにしたり。自然任せのため、梅雨時や冬場は品切れになることが多い。「釜炊き塩」は昔ながらのマキを使った製塩。まろやかな味わいがある。おにぎりや焼き魚に使う。

塩

「天日塩」は200グラム700円(税別)。「釜炊き塩」は400グラム1000円(税別)

製塩の工程で分離した「にがり」も販売する。米を炊く際に少量を入れるとご飯がふっくらするそうだ。

小出さんが塩に出会ったのは、放送局のアナウンサーとして天草の取材をしたことがきっかけだった。取材から番組の段取りまでをこなし、多忙を極める日々だった。疲労困憊の中、母親に通詞島の塩で焼き魚を料理してもらった時に、「おいしか!」と感動した。

「熊本の食材は素晴らしい。その食材を引き立てる、こんなにおいしい塩があるとは」と、放送局を辞め、起業して塩の販売に乗り出すことに。全国を営業で回って会社も軌道に乗った。熊本市内にはソルト・ファームの塩を使った料理店も多い。

小出さんは「『サラリーマン』の『サラリー』の語源は塩のこと。ローマでは報酬を塩でもらっていた。それほど塩は貴重。体に良い塩を食することは、健康にもつながる。塩に感謝したい」と語る。

小出さん

お店の売れ筋商品と小出さん

栄養、塩漬けでの保存、味付け、清め。確かに、私たちは塩とともに歩んできた。塩で経済が動き、貿易が活発になった。争いが起きたこともある。「ソルト・ファーム」をのぞいて、そのことを再認識した。

小出さんは旧三井住友銀行熊本支店の近くの米屋町生まれ。父親は呉服町、母親は細工町出身。自分は中唐人町に店を構えて約20年。生まれ育った「古町」で生活の基本の「き」である塩を販売する。

店舗情報

住所 熊本県熊本市中央区中唐人29  コアマンション1階

アクセス 熊本市電「呉服町」電停より徒歩3分
営業時間 9時~19時(土曜は18時まで)
定休日 日曜、祝日
電話 096-355-4140
公式HP http://saltfarm.jp/

※情報は2019年11月2日時点です。

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