男子・開新50年ぶり栄冠 九州学院の15連覇阻止 女子は千原台が2年連続18度目V 「都大路」かけ熊本県高校駅伝

男子・開新50年ぶり栄冠 九州学院の15連覇阻止 女子は千原台が2年連続18度目V 「都大路」かけ熊本県高校駅伝

男子は開新が半世紀ぶりの栄冠、女子は千原台が2年連続の優勝-。

2019年の熊本県高校駅伝競走大会(男子第72回、女子第35回)が同年10月26日、熊本市東区のえがお健康スタジアムを発着するコースで行われました。

40校が出場した男子(7区間、42.195キロ)は、昨年3位だった開新が、15連覇を目指した九州学院を最終区で逆転。2時間5分50秒の好タイムで前身の第一工以来、50年ぶり5度目の優勝を果たしました。

開新のアンカー持田竜汰選手

50年ぶり5度目の男子優勝を飾った開新のアンカー持田竜汰選手=2019年10月26日、熊本市のえがお健康スタジアム

23校が競った女子(5区間、21.0975キロ)は、千原台が1時間11分6秒でフィニッシュし、2年連続18度目の優勝を飾りました。

千原台のアンカー新垣聖菜選手

2連覇を果たした千原台のアンカー新垣聖菜選手=えがお健康スタジアム

男女の優勝校は12月22日に京都市で開催される全国高校駅伝大会、1~3位は11月16日に大分県宇佐市で開かれる九州大会にそれぞれ出場します。男子の全国大会は5年ごとの記念大会(第70回)に当たるため、南九州4県の2、3位の計8校のうち、九州大会の最上位校は南九州代表として全国大会の出場権を得ます。九州学院と熊本工にも全国大会のチャンスがあります。

県大会の結果は2019年10月27日付の熊本日日新聞で詳報しています。記事と未掲載の写真などで熱戦を振り返ります。撮影は写真映像部の小山真史、後藤仁孝の両記者です。

※情報は2019年10月28日時点、紙面の情報は掲載時点です

開新・アンカー持田が残り3キロで逆転 2区冨田、4区園木、6区麓も好走

それでは、開新チーム「会心」のレース運びを振り返ります。

エース区間の1区(10キロ)は、九州学院の入田優希選手が区間賞で、開新の内田征冶選手は4位でした。

男子1区

1区。えがお健康スタジアムを出て、先頭争いをする選手たち。左から遠山和希(慶誠)、入田優希(九州学院)、東原愛斗(熊本工)、石山博貴(国府)、内田征冶(開新)、堀田晟礼(千原台)の各選手=熊本市

2区(3キロ)の開新・冨田幸音選手はトップと17秒差でたすきを受け取ると、区間賞の走りで、先頭の九州学院に追い付きました。

第2中継所で、混戦の中、たすきをつないだ九州学院、開新、熊本工の選手たち=菊陽町

3区(8.1075キロ)の野田崇央選手は、国体の5000メートルで県高校新記録をマークした九州学院のエース鶴川正也選手に48秒差をつけられましたが、木村龍聖監督は「1分以内ならチャンスがあると思っていた」と手応えを感じました。

3区

3区。九州学院の鶴川正也選手(右)に食らい付く開新の野田崇央選手=菊陽町

4区(8.0875キロ)の園木大斗主将は区間賞の走りで、16秒差まで猛追します。王者・九州学院は「3、4区で決着をつける」レース展開を描いていましたが、大きなリードを奪うことができません。

第4中継所

第4中継所。九州学院の4区中山凛斗選手が5区山内大地選手にたすきをつなぐ=菊陽町

5区(3キロ)は、九州学院の山内大地選手が区間賞の走りで、開新との差を38秒に開きます。「やはり九州学院は強い」と思わせる展開で、レースは終盤に突入します。

第5中継所

第5中継所。九州学院の5区山内選手が6区塩井広太郎選手にたすきリレー=菊陽町

ここから開新が素晴らしい追い上げを見せます。6区(5キロ)は、麓逸希選手が踏ん張り九州学院を猛追。12秒差でアンカーの持田竜汰選手にたすきを託します。

6区で、九州学院の塩井選手(右)を猛追する開新の麓逸希選手=菊陽町

この最終7区(5キロ)にドラマが待っていました。「すごいプレッシャーがのしかかり、最初からきつかった」と持田選手。それでもみるみると差を詰め、残り3キロ付近で先頭に躍り出ました。九州学院の内山祐希選手も粘る中、得意の上り坂を迎え「思いっきり離してやろう」。歯を食いしばってスパートをかけ、区間トップの快走を見せます。

7区

7区。九州学院の内山祐希選手(左)をかわして首位に立ち、引き離す開新のアンカー持田選手=熊本市

持田選手は、スタジアムの大声援に応えるように、両手を突き上げてゴールテープを切りました。

「打倒九学でやってきたが、まさか優勝できるなんて。全員がベストの走りをした」と園田主将。その言葉通り、2時間5分50秒の記録は、チームの最高タイムを4分近く更新する激走ぶりでした。

大会14連覇中だった優勝候補の九州学院は、19秒差の2時間6分9秒で2位。3位は昨年2位の熊本工で2時間9分45秒、4位は2時間12分4秒の千原台、5位は2時間14分19秒の国府でした。

3位

3位でフィニッシュする熊本工のアンカー山瀬大孝選手

4位

4位でゴールする千原台のアンカー渋谷龍星選手

5位

5位でフィニッシュする国府のアンカー森勇人選手

開新は、新校舎建設のため、1年ほど前からグラウンドが使えず、普段の練習は校舎外周の道路を走っているそうです。当然車なども通り、伸び伸びとは走れません。その不利な環境をカバーしようと、部員それぞれが自主練習に力を入れてきました。

50年ぶりの優勝を果たし、開新の選手たちから胴上げされるは木村監督=熊本市

園木主将は「まずは11月の九州大会に向け、強豪校に対抗できるよう力を付けたい。ムードを盛り上げ、都大路で自分たちのベストを尽くしたい」と全国大会での飛躍を誓いました。

50年ぶりに県高校駅伝を制した開新のメンバー=熊本市

地力の千原台が独走 1区栗原、2区藤原、3区藤村の3年生トリオ活躍

女子は、千原台が中盤以降独走し、他チームと地力の差を見せつけました。

レースを振り返ります。

千原台の塚本大介監督は、昨年の都大路を経験した主力の3年生を1~3区に起用し、先行逃げ切りを図ります。

1区(6キロ)は、有力校のエースランナーがけん制し合う展開となりました。

スタート後、えがお健康スタジアムから公道に出る1区の選手たち=熊本市

この展開で区間賞を取ったのが、千原台の栗原泉選手。2キロ地点から先頭に躍り出て、3キロ付近でいったん後ろに下がって力をためると、以降はぐんぐん加速してトップで中継所に駆け込みました。

女子第1中継所。千原台の栗原選手(左)からたすきを受け、走り出す藤原花音選手=熊本市

トップでたすきを受け取った2区(4.0975キロ)の藤原花音選手は、後続のルーテル・大保桜選手を2度も振り切る執念を見せました。まず1.5キロ地点で追い越されても直後に抜き返します。残り1キロで再び並ばれた際は「また来るか」と気持ちが折れそうになりながら、「3年間走ってきた意地がある」と懸命に振り切りました。

続く、3区(3キロ)の藤村光紀主将は、3年生の仲間2人の流れを引き継ぎ、軽やかにピッチを刻みました。たすきを受けた時に6秒だった2位との差を42秒に広げて、区間トップの走りで4区(3キロ)の1年山下彩菜選手にリレー。その山下選手も区間1位の快走を見せます。

第3中継所。千原台の藤村光紀選手(左)が山下彩菜選手にたすきをつなぐ=菊陽町

最終5区(5キロ)のアンカー、2年新垣聖那選手は「先輩たちが良い流れでつないでくれたから」と時折笑顔も見せ、一人旅を快走。1時間11分6秒でゴールしました。

昨年は2位とは52秒差でしたが、今年は1分17秒引き離す圧勝。塚本監督は「3年生の頑張りが全て。3区までに予想以上に差をつけることができた」と主力3人の快走をたたえました。

2位は、昨年3位だった有明が1時間12分23秒でフィニッシュ。3位は、昨年2位の信愛女学院で1時間13分13秒。4位は1時間13分43秒のルーテル、5位は1時間14分2秒の東海大星翔でした。

2位

2位でフィニッシュする有明のアンカー越猪綾菜選手

3位

3位でゴールする信愛の長沼優香選手

4位

4位でフィニッシュするルーテルのアンカー松本まどか選手

5位

5位でゴールする東海大星翔のアンカー野嶋千里選手

千原台は、昨年の都大路は33位。その苦い記憶をバネに練習や各大会では、県レベルで満足しないよう走力を鍛え上げました。「県大会は通過点。全員がもう一段階上がっていきます」。藤村主将は、優勝に満足することなく、そう宣言しました。

2年連続18度目の優勝を果たした千原台の選手たち=熊本市

古豪復活を大きく印象付けた男子・開新、昨年よりレベルアップした女子・千原台、両チームの師走の「都大路」での活躍が楽しみです。また、男子の九州学院、熊本工には「県勢2校目の全国大会切符」を目指して、九州大会で頑張ってほしいですね。

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