380年の歴史絵巻 11月23日八代妙見祭神幸行列 ユネスコ無形文化遺産 ユニークな「亀蛇」「笠鉾」と見どころまとめ

380年の歴史絵巻 11月23日八代妙見祭神幸行列 ユネスコ無形文化遺産 ユニークな「亀蛇」「笠鉾」と見どころまとめ

大勢の人でにぎわう八代神社参道を練り歩く笠鉾の列=2017年11月23日、八代市

城下町・八代を彩る約380年の歴史絵巻-。国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の八代妙見祭(八代神社秋季例大祭)神幸行事の一つ「神幸行列」が11月23日、八代市中心部で開かれます。神幸行列のユニークな出し物「亀蛇(きだ=ガメ)」や「笠鉾(かさぼこ)」と見どころを紹介します。

(熊本日日新聞に掲載された記事、写真をもとに再構成しました。演舞披露やアクセスに関する情報は「八代妙見祭ホームページ」から引用しています)

相良氏時代が由来 町衆文化取り入れ発展

八代妙見祭の神幸行列は、中世・相良氏時代の神幸行列に由来します。江戸時代、藩主細川家や八代城代松井家の保護を受け、商業で栄えた町衆文化も取り入れて発展。中国情緒あふれる獅子や、旧城下の町々から出される楼閣型の豪華な笠鉾、想像上の神獣・亀蛇など、「静」と「動」を併せ持つ現在の行列になりました。40の出し物に市民ら約1700人が参加します。

「八代妙見祭の神幸行事」のユネスコ無形文化遺産登録が決まったことを伝える2016年12月2日の熊本日日新聞朝刊記事

ユネスコは2016年12月、「八代妙見の神幸行事」や「京都祇園祭」「博多祇園山笠」など18府県33件の祭りで構成する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」を無形文化遺産に登録しました。

八代妙見祭神幸行列の多彩な出し物の中でも、特に目を引くのは「亀蛇」と「笠鉾」です。

神獣「亀蛇」 ユーモラスな動き人気

大勢の人でにぎわう八代神社参道を練り歩く亀蛇=2017年11月23日

出町が奉納する亀蛇は八代妙見祭の神幸行列で1番の人気者。全長3メートル、高さ2.5メートルで、甲羅は畳3枚ほど、重さは約120キロあり、「ナカ」と呼ばれる5人の担ぎ手が入って操ります。その異形と大きさに加え、首を上げ下げしたり、グルグルとコマのように回ったりするユーモラスな動きが人気の理由です。

亀蛇は、亀と蛇が合体した想像上の神獣。約1300年前に妙見神(しん)を背中に乗せ、中国から海を渡って八代に来たとされます。妙見神は北極星の化身。北を指して動かない北極星は航海の指針でもあり、大陸から海を渡ってきた人々によって、妙見信仰が伝えられたのでしょう。(後略)

(2016年11月16日付熊本日日新聞連載「八代彩る妙見祭」から抜粋)

豪華な「笠鉾」 町ごとに競い合い

笠鉾は当初、傘状の簡素な出し物でしたが、江戸中期以降、町人が財を蓄え文化が成熟する中、町ごとに豪華さを競って大型化。今製作するなら「1基1億円以上かかる」ともいわれています。

(写真の順番は行列の並び順。紹介文は2016年12月16日付熊本日日新聞朝刊「妙見祭ユネスコ無形文化遺産登録特集」から)

菊慈童(きくじどう)=宮之町

菊慈童(きくじどう)

妙見宮ゆかりの宮之町の菊慈童は笠鉾の先頭を行き、どんな悪天候でも行列を離れることはありません。

本蝶蕪(ほんちょうかぶ)=本町

本蝶蕪(ほんちょうかぶ)

飾り物は「本蝶(町)の蕪(株)が上がる」と、商売繁盛の願いを表します。青貝細工の伊達(だて)板(飾り板)は1810年製で、製作年が分かる物としては国内最古。蕪の葉裏には吹きガラスの水滴も。

蘇鉄(そてつ)=二之町

蘇鉄(そてつ)

蘇鉄は不老不死の霊木。葉は本物を毎年取り付けています。100年以上前に作られた亀の刺しゅうの水引き幕の裏面には、細やかな補修の跡が残り、大切に受け継がれてきたことがうかがえます。

西王母(せいおうぼ)=通町

西王母(せいおうぼ)

謡曲に登場する美しい仙女で天下泰平をたたえます。部材にある「延・享・元・年・甲・子」の文字は、組み立てる際の合印。この延享元年(1744年)が、製作年代と考えられます。

猩々(しょうじょう)=紺屋町

猩々(しょうじょう)

猩々は中国揚子江に住む仙獣で、いくらついでも尽きない酒壺を持ち、孝行者に授けるといい、商売繁盛や家門繁栄を祝います。“衣装持ち”の笠鉾でもあり、水引き幕を4枚持っています。

蜜柑(みかん)=中島町

蜜柑(みかん)

たわわに実った蜜柑は、幕府献上品となっていた八代特産の「高田(こうだ)蜜柑」を表します。蜜柑は寿命が延びるめでたい食べ物ともされており、下屋根に載った6匹の小さなサルも、豊かな表情が目を引きます。

恵比須(えびす)=徳淵町、淵原町

恵比須(えびす)

タイに乗り釣りざおを持った恵比須の姿は、貿易港として栄えた徳淵の歴史を物語ります。波の部分には、1764年に14歳の八代の大工三平次が作った、という墨書があります。

松=平河原町

松

頂上に松をいただき、下屋根の上には翁(おきな)と媼(おうな)の白木の木彫り人形が取り付けられています。全体として長寿を祝う、めでたい装飾となっており、松葉は竹で細かく作られています。

迦陵頻伽(かりょうびんが)=塩屋町

迦陵頻伽(かりょうびんが)

人頭鳥身の美しい想像上の生き物で、極楽浄土にすみます。この世が極楽さながらであるように、という願いがこもっています。屋根は9基ある笠鉾の中で唯一の三段重ねとなっています。

行列の見どころ

行列は長さ約1.5キロ。午前7時半に八幡町の塩屋八旛宮を出発し、途中やつしろハーモニーホールやJR八代駅前などで演舞を披露しながら、約6キロ先の八代神社を目指します。主な通過地点と時間、披露の内容は次の通りです。

塩屋八旛宮を出発する行列=2016年11月23日

8:30~ やつしろハーモニーホール(車いす利用者優先エリアあり)
行列到着順に演舞。亀蛇、飾馬は9:15~。

9:30~ JR八代駅前(車いす利用者優先エリアあり)
行列到着順に演舞。亀蛇、飾馬は10:10~11:30

JR八代駅前で観客を前に駆け回る神馬=2014年11月23日

11:00~13:00 宮地小学校グラウンド
笠鉾、亀蛇などを展示

八代神社に到着後、近くの宮地小グラウンドに並ぶ笠鉾=2016年11月23日

11:00~13:00 八代神社
11:00神輿到着、11:15~12:15獅子舞演舞

12:30~17:00 砥崎河原
獅子舞のほか行列順に演舞。亀蛇14:20~、飾馬14:30~

多くの見物客が見守る中、水しぶきを上げながら砥崎河原で演舞を披露する亀蛇=2018年11月23日

アクセス

臨時駐車場

球磨川河川緑地(500台)、県八代総合庁舎(200台)=いずれも無料、シャトルバス(有料)あり
西宮町食肉センター跡地(400台)、日本製紙グラウンド(250台)=有料(1台1000円)、シャトルバスなし

シャトルバス

JR九州新幹線新八代駅(東口)、球磨川河川緑地、県八代総合庁舎から運行 往復500円

※11月23日は市内中心部と国道3号の一部で交通規制があります。

見どころマップ、アクセスマップは 八代妙見祭ホームページ で見ることができます。

問い合わせ先

八代妙見祭保存振興会 TEL 070-5819-8246

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