「ムササビシュート」生で見よう! ハンドボール面白ネタまとめ第2弾 熊本で女子世界選手権

「ムササビシュート」生で見よう! ハンドボール面白ネタまとめ第2弾 熊本で女子世界選手権

日本代表「おりひめジャパン」含め24カ国のチームが争う第24回女子ハンドボール世界選手権が、2019年11月30日から12月15日まで、パークドーム熊本など熊本県内5か所で開催されています。

パークドーム熊本にお目見えした女子ハンドボール世界選手権公式球がモチーフの巨大モニュメント=2019年11月28日、熊本市東区

熊本日日新聞は、ハンドボールをよく知らないという人にも競技や世界女子ハンドに関心を持ってもらおうと、思わず人に話したくなるような面白ネタを掘り起こし、開幕日までの1カ月間「なるほどハンド」のタイトルで連載しました。「クロスくまもと」では連載記事を加筆・再構成し、まとめて紹介。今回はその第2弾です。

※連載の取材・執筆は、熊本日日新聞社編集本部の鎌倉尊信、萩原亮平の両記者。情報は2019年11月30日時点です。

第1弾はこちら。

空中曲芸のような技! ハンドの醍醐味のひとつ

豪快なシュートもですが、空中曲芸のような技もハンドボールの醍醐味(だいごみ)です。その名も「ムササビシュート」。主に右利きの右サイド選手が、ゴールに対して角度がない場所から横っ跳びしながら体を床と平行になるほど傾けてボールを放ちます。「プロンジョンシュート」とも呼ばれます。1972年のミュンヘン五輪などで活躍した野田清さんが得意とし、「ムササビ」の名前が広まったとか。柔軟性や体を自在に操る器用さが、高度な技を生み出しています。

(2019年11月26日付掲載)

熊本県高校総体で「ムササビシュート」を放つ千原台高校の選手=2019年6月、山鹿市総合体育館

まるで「火の玉」!? 今大会の公式球

今回の世界女子ハンドで使用されるボールは「2号球」と呼ばれるサイズで、バレーボールより一回り小さく周囲は54~56センチ、重さ325~375グラムです。持ってみると思いのほか小さく感じ、大人なら片手で簡単につかむことができます。大会のための特別デザインで、色は日の丸を取り入れた赤と白がベース。正面2カ所には大会ロゴマークを配置しています。

第24回女子ハンドボール世界選手権の公式球

選手たちの強烈なスピンがかかったシュートは、ボールの色と相まって“火の玉”さながらに見えるかもです!?(2019年11月19日付掲載)

ゴールキーパー、攻撃の要にも

試合でチームの失点を防ぐ最後の砦(とりで)となるゴールキーパー(GK)ですが、攻撃の要にもなります。相手シュートを防いだ後は速攻の好機。GKのパス1本で得点機をつくる「1次速攻」はコート内で攻守が一気に入れ替わり、スピード感は迫力満点です。GKは守備と同時に、次の攻撃場面を頭に入れたプレーが求められます。そのため、高度な判断力が必要。熊本県内の強豪・千原台高校GKの池田真那美さんは「自分の起点から速攻が決まったときは最高」と話しています。

(2019年11月21日付掲載)

ゴールキーパーの魅力を語る千原台高校の池田真那美さん=熊本市西区の同校

ボール握るため、選手が手に塗るものは?

ボールをしっかり握ってプレーするため、ハンドの選手たちが手に塗るのが「松やに」。本場ヨーロッパでは広く使われていますが、日本国内のスポーツ施設では制限されるケースが多いそうです。なぜか-。答えは、粘着力と汚れの取れにくさから敬遠される、です。きれい好きな国民性ゆえでしょうか。「土足で屋内に入る海外との文化の違いなのかも。ただ、子どものころから松やにを使う方が、プレーが上達する傾向にあります」と競技関係者は言います。今回の世界女子ハンドは、熊本県内5会場とも使用できます。

ハンドボールでグリップ力を高めるために使う松やに

ハンドボールで、鋭い回転をかけてボールをバウンドさせ、軌道を変えるシュートは迫力満点です。それを生むのが高いグリップ力で、本場ヨーロッパの選手たちは小さいころから松やにを使います。対する日本。高校生の大会では、両面テープを手に巻くのが主流だそうです。千原台の池田さんも「小学生から使っていて慣れています」。一方、松やにを使った時はシャツに付き、落とすのに苦労したこともあるそうです。松やにを使う試合の会場では、トイレなどの蛇口にラップを巻くのも日本ならではです。

ハンドボールをつかむ池田さん

国内のスポーツ施設で使用を制限されることがある松やに。そんな中、熊本では認めている施設もあります。熊本市の千原台高体育館はその一つ。実業団強豪のオムロン(熊本県山鹿市)などが男子チームと練習することがあるためで、床のあちこちに黒ずみ跡があります。競技に情熱を傾ける「勲章」のようです。2019年の夏、山鹿市総合体育館などであった全国高校総体では全会場で使用が認められました。高校生の大会では珍しく、他県の関係者を「さすがハンド先進県、熊本」と驚かせたそうです。

松やにが黒ずんで取れなくなった千原台高校の体育館の床

(2019年11月22~24日付掲載)

ルールや見どころ、漫画で学べる

ハンドボールの試合を見てみたい、でもルールや観戦のポイントが分からない-。そんな人には、理解しやすい漫画がうってつけでしょう。小学館発行の「送球ボーイズ」(原作・フウワイ、作画・サカズキ九)。高校男子のハンドボールが題材で、ポジションごとの役割や守備陣形、試合の駆け引きなどが物語の随所に散りばめられていて、競技を身近に感じられます。今大会の試合会場でも同作品を利用した映像を流し、ルール説明を行うそうです。

送球ボーイズ

ハンドボールを題材にした連載漫画「送球ボーイズ」

(2019年11月25日付掲載)

プレー「体感」 ファンゾーンにVRやフリースローコーナー

現在のスポーツ観戦の盛り上げに、飲食は欠かせません。ラグビーW杯でビールが大量消費されたのは記憶に新しいです。今回の世界女子ハンドが開催される熊本県内5会場周辺にも「ファンゾーン」が設けられ、アルコールや県特産の食品が提供されます。ただ、ごみのポイ捨て禁止などマナーは守りたいですね。飲食以外にも、試合をしているような臨場感を味わえる仮想現実(VR)コーナーやフリースロー体験コーナーなどが設けられます。試合前の「おもてなし」をたっぷり楽しめるはずです。

(2019年11月29日付掲載)

優勝トロフィー、デザインは「おてもやん像」の彫刻家

今回の世界女子ハンドの優勝トロフィーは、熊本大名誉教授で熊本県内を代表する彫刻家の石原昌一氏が手掛けました。ブロンズ製で、台座部分を含めて高さ約70センチ、重さは約10キロ。シュートを放つ日本人女性選手をかたどっています。石原氏の作品は公共の場所に数多く設置されています。JR熊本駅の「おてもやん像」や、高橋公園(熊本市中央区)の「横井小楠と維新群像」などで、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

(2019年11月17日付掲載)

熊本で開催される女子ハンドボール世界選手権の優勝トロフィー(熊本国際スポーツ大会推進事務局提供)

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