夢は「母校・五福小校区を漫画の聖地に」 合志マンガミュージアム館長・橋本博さん

夢は「母校・五福小校区を漫画の聖地に」 合志マンガミュージアム館長・橋本博さん

ぶらり新町・古町

漫画に囲まれうれしそうな合志マンガミュージアム館長の橋本さん=合志市

五福小学校(熊本市中央区細工町)の校区を漫画の聖地に―。五福小卒業生で、合志マンガミュージアム(熊本県合志市)の館長を務める橋本博さん(71)はそんな夢を持っている。

橋本さんに加え、映画評論家で漫画研究の草分けでもあった故藤川治水氏、少女雑誌研究家の村崎修三氏、漫画評論家の故米澤嘉博氏、漫画研究で知られる明治大教授・藤本由香里さんが五福小の出身。なぜ同じ校区でこれほど漫画好きが多いのだろうか。

橋本さんと五福小の周辺を歩いてみた。「この辺りに塩山貸本店があったなぁ」。細工町通り、五福小のはす向かいを橋本さんが指さした。「ここでは忍者ものをたくさん読んだなぁ」と感慨深そうだ。

熊本市米屋町

このあたり(熊本市米屋町かいわい)にも貸本店があったなあ、と橋本さん

五福小から米屋町に向かうと「米二貸本」の跡地付近に着いた。「ここでは割とまじめな本を読んだなぁ。スポーツものとかね」と少年の頃に戻ったようだ。

橋本さんによると、子どもの頃は古町、新町にはそれぞれ10軒ほどの貸本店があった。貸本店をはしごして、お気に入りの本を探した。漫画や本を読む子どもが多く、書物から夢を膨らませたのだろう。

貸本店地図

五福小学校の近くにたくさんの貸本店があったという地図

橋本さんは父の転勤に伴って、長崎や下関を転々。熊本に来たときは、よそ者としていじめられた経験があるという。だから漫画が身を守る「避難所」だった。特に忍者物が好きだった。超人がたくさん登場して楽しめた。

「貸本のおじいさんとして余生を過ごしたい」。橋本さんは、いつか校区内に貸本店を開きたいと考えているという。

幼少のころ、祖母に「大きくなったら何になりたいのか」と聞かれ「貸本屋」と答えたところ、祖母のがっかりした表情が忘れられず、その後、県庁職員や塾の講師などを務めている間は、その夢を封印してきたという。今ようやくその夢を〝解禁〟し、店には昔を懐かしむ団塊世代がたくさんきてくれるのではないかなどと妄想を楽しんでいるという。

すでに五福小から数キロ離れた倉庫には、12万冊の漫画が所狭しと置かれ、その日を待っている。橋本さんの個人所有だけではなく、全国の古本店から預かった漫画も多いという。魅力的な貸本店ができるのが待ち遠しい。

橋本さんの倉庫

橋本さんの倉庫にはたくさんの漫画があった

五福小校区

校区情報は国土数値情報の小学校区データより作成(平成22年度4月時点)。このデータは公式の校区情報ではありません。

※情報は2019年12月9日時点です。

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