熊本のスナックめぐり 栄通り「トレジャー」編 歯科衛生士から転身 「人との出会いがやりがい」 

熊本のスナックめぐり 栄通り「トレジャー」編 歯科衛生士から転身 「人との出会いがやりがい」 

スナックのママ物語

熊本市のネオン街にあるスナックのママさんたちが、月替わりで、夜の街のエピソードを語る、大好評の熊日連載「ママさんぽ~熊本のスナックめぐり」(毎週金曜夕刊「街・まち」面)。

「cross kumamoto」では、各月分を1回にまとめ、未掲載の写真や、お店に関する情報、熊日紙面に登場したことへのママさんの感想などをプラスしてお届けします。

今回は2018年9月に掲載した栄通り「トレジャー」の中川直美さん(48)の「ママ語り」です。

※店舗情報は、2019年12月6日時点です。来店する際は事前に確認してください。

〈第1話〉 27歳で、全然知らなかった世界に

「トレジャー」の店内

27歳の時、離婚をきっかけにこの世界に入りました。その当時は歯科衛生士の仕事をしてたんですけど、小さな子ども2人を昼だけの給料では育てられないので、昼も夜も働こうと。

皿洗いやホールスタッフで頑張ろうと思ってたんですけど、面接に行ったバーが別にメンバーズクラブも経営しているところだったんですね。そっちに配属されたんです。

それまで全然この世界を知らなくて。女の子たちはきらびやかな洋服を着て、お化粧ばっちり、肌もちょっと露出したような感じ。「私にはできません」と何度も断ったんですけど、「頑張ってみませんか」って言われて、それで始めました。

でもやっぱりお昼の仕事に影響出るんですよね。帰って寝るのが午前4時。7時には起きて子どものお弁当を作ったりするので、寝る時間がなかったんです。1カ月でもう体が限界でした。

(2018年9月7日付掲載)

〈第2話〉 子どもも、お客さまも大切な宝物

「トレジャー」のカウンター席

この世界に入って最初の1カ月は、昼も夜も仕事を頑張ってたんですけど、体がもたなくて。こうなったら夜一本で本腰を入れようと、昼の仕事を辞めて、クラブに一生懸命尽くそうと頑張り始めたんです。

クラブで働いて1年ぐらいして、チーママを任されました。その時点で自分でお店を出そうと考えるようになりました。歯科医院はドクターじゃないと開業できないけど、この仕事だったら私でもお店ができると思って。2002年、30歳の時に「トレジャー」をオープンさせました。最初は光琳寺通りで、2014年に今の栄通りに移りました。

トレジャーは「宝物」という意味。子どもたちがいるからこそお店もできる、お客さまがいるからこそできる。みんな私の大切な宝物ですよっていう思いで名付けたんです。子どももその頃はちっちゃかったんですけど、今はもう大人になって、2人とも美容師をしています。

(2018年9月14日付掲載)

〈第3話〉 「病気の人支えたい」 看護師への思い強く

店内に飾られている花

お酒が大好き。毎日飲んで酔っぱらってるんですけど、数年前に体を壊したんです。アルコールのせいで急性膵(すい)炎になり、救急車で運ばれて、1カ月ぐらい入院しました。痛いなんてもんじゃないです。のたうち回る。その時からお酒の量をちょっとセーブするようになりました。

もともと生まれつきの心臓病だったんです。小学校の頃は階段上るだけで貧血起こして、運動会は放送の担当でした。卒業アルバムも入院してたんで、端っこに載ってるだけ。友達とどっかに遊びに行くとか、そういうのはあんまりなかったですね。

6年生の頃に手術しましたが、それまで入退院の繰り返しで、学校に行く期間より病院の方が長かったから、勉強が全然分からなくて。もともとは看護師になりたかったんですよ。子どものころ病院にお世話になったこともあり「病気の人を支えたい」という気持ちが強かったです。ただ、学校で十分勉強できなかったこともあって、看護師にはなれませんでした。それで、通信教育で頑張って歯科衛生士の資格を取ったんです。

(2018年9月21日付掲載)

〈第4話〉 異業種交流会で人脈 飲食業同士も仲良く

月1回、異業種交流会に出席しています。いろんな業種の中小企業経営者の集まりです。待ってるだけの商売じゃなく、外に出ていって私を知ってもらうことで、来店につなげられるんじゃないかと考えたんです。

この会に入ったことで人脈もつくれるし、県外に行ったりするのが楽しくなってですね。それまでは個人的な旅行に行ったことがないし、仕事以外では人と話したりせず、殻に閉じこもってたんですけどね。こういう会があるって教えてくれたお客さまがいて、思い切って行ってみたんです。今、5年目です。

定例会に毎回出て、仕事の話だけじゃなくて、いろんな話をしている間に自然と仲良くなりますね。飲食業同士で仲良くなって、私も暇な時は同業の会員さんのお店に行ったりします。この時代、お客さんを取り合うより、助け合いが大事じゃないかなって思うんですよね。

(2018年9月28日付掲載)

直美ママへインタビュー

中川直美ママに、熊日紙面に登場した反響などを聞きました。(2019年12月4日)

中川直美ママ

――入退院を繰り返した子ども時代のこと、歯科衛生士から転身して苦労されたことなど、熊日の紙上で赤裸々に語っていただきました。反響はありましたか?

直美ママ 熊日の夕刊やLINEニュースで「記事を読んだ」というお客さまが結構いました。子どものころ病弱だったことなどを話すことはないので、ビックリされたお客さまも。新聞の切り抜きを手に来店された新規のお客さまもいましたよ。

――「トレジャー」はどんなお店ですか?

直美ママ 安心して、くつろいでいただくアットホームな店です。客層は、50代を中心にサラリーマン、自営業の方が多いでしょうか。接待でもよく使っていただきます。みなさん、会話を楽しんだり、カラオケで歌ったり、とてもリラックスされています。私もかしこまらず、「素の自分」を出して接客するよう心掛けています。熊日の連載でも触れてありましたが、お酒が好きで、焼酎をよく飲んでいます。

――今の仕事の面白さは?

直美ママ いろんな方と出会えるのがやりがいになっています。人との「ご縁」は大切にしています。お客さまの仕事のプラスになればと、別のお客さまを紹介することも。お客さまから「おかげで仕事がうまくいった」と感謝されるとうれしいですね。

店舗情報

住所 熊本市中央区花畑町13-10パワーズビル5階

アクセス 栄通り、西銀座通りとの交差点近く
ドン・キホーテ熊本西銀座通り店の斜め向かいのビル
熊本市電・花畑町電停から徒歩4分
桜町バスターミナルから徒歩5分
営業時間 20時~25時
定休日 日曜・祝日
電話 096-355-8818
システム セット料金4000円、飲み放題5000円(いずれも税別)
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