「凡事徹底」がモットー カードマジック披露も 下通アーケード「ファンキーぷれいやぁず」編

「凡事徹底」がモットー カードマジック披露も 下通アーケード「ファンキーぷれいやぁず」編

熊本市のバーテンダーたちの「ちょっといい話、クスッとする話」を、それにまつわるお酒とともに紹介する「熊本のバー探訪」シリーズ。今回は「ファンキーぷれいやぁず」(熊本市中央区下通 下通アーケード内)の代表・本田倫寛さん(43)に登場してもらいます。

「ファンキーぷれいやぁず」代表の本田倫寛さん

バーテンダーの仕事の魅力は「努力すれば、お客さまからの反応がすぐに返ってくること」と話す「ファンキーぷれいやぁず」代表の本田倫寛さん

このコンテンツは、熊本日日新聞夕刊で連載した「夜話(やわ)カクテル」(2015年3月~2017年6月)を再構成し、インタビューや店舗情報などを加えました。

(記事中の情報は掲載時点、後段の店舗情報は2020年1月10日時点です。変更されている場合がありますので、来店前に電話でご確認ください)

ナイトスコッチ】 客に教わった〝裏技〟

ナイトスコッチ

ナイトスコッチ

私たちは、自ら考えたオリジナルカクテルでお客さまに楽しんでもらうことがあります。逆に、お客さまが考えたカクテルを教えてもらったこともあるんですよ。

それは、50代半ばの男性会社員の方が「ナイトスコッチ」と名付けたカクテル。コンビニにも売っている手ごろなウイスキーに、ブラックティーシロップを少し混ぜます。すると濃厚な味に変わり、20年ぐらい樽(たる)熟成させたスコッチウイスキーと間違えてしまうほどです。

男性はバーが大好きで県内外のバーを巡っていらっしゃる方。今は転勤で東京にいらっしゃいますが、帰郷された時に来店され、「老後においしい酒を飲みたいので、若いバーテンダーを育てたい」と、遊び心で考えたというこのカクテルを含め、いろんなことを教えてくれます。

以来、ほかの客から「何か面白いカクテルはないか」と注文された時、〝裏技〟として使わせてもらっています。

(2015年11月10日掲載)

【カルーアミルク】 甘さで分かるプロの技

カルーアミルク

カルーアミルク

私がお酒を飲み始めた大学生のころ、よく飲んでいたのがカルーアミルクでした。飲みやすいし、バーだけではなく、カラオケ店や居酒屋でもメニューにあるポピュラーなカクテルだったからです。

当時、家業のバーを継ぐことを考えていたので、勉強のため先輩バーテンダーのバーで初めてカルーアミルクを注文しました。飲んでみると、いつもと全く違う味に衝撃を受けました。

このカクテルは、カルーアというコーヒーリキュールと牛乳などをシェイクして作ります。いわば、アルコール入りのコーヒー牛乳。アルバイトなど〝素人〟が作る店などでは、甘ったるいことがよくあります。しかし、先輩の場合はふんわりと甘く、「酒を飲んでいるんだな」と実感できる味でした。単純なカクテルだけにプロの技を見せつけられたような気がしました。

私もバーテンダーになって15年以上たちますが、あの時と同じようにプロの技をお客さまにも味わってもらえるよう心掛けています。

(2015年11月17日掲載)

シトロンウエディング】 苦味の中にほんのり甘さ

シトロンウエディング

シトロンウエディング

バーテンダーは、お客さまを楽しませるために「一芸を持て」と言われます。私の一芸はマジック。特にカードマジックが得意です。今回は、一番緊張したマジックの話をしたいと思います。

数年前、20代の男性から「彼女と知り会ったこの店でプロポーズをしたい」と相談があり、私はマジックで〝応援〟することになりました。

カウンターに座った彼女に「ハートのエース」を引いてもらい、そのカードが私の手のひらで「結婚してくれますか」と書かれたカードに変わるマジックでした。女性は驚いて泣きながら「OKです」。緊張で手が汗ばみ、マジックがうまくいくか心配でしたが、結果が良くてホッとしたことを覚えています。

その後、お出ししたカクテルは、レモンリキュールをトニックウオーターで割り、フレッシュレモンを入れたさっぱり味の「シトロンウエディング」。本来は無色のカクテルですが、女性にはパッションフルーツのリキュールを入れて、淡いピンク色にしてお祝いしました。

(2015年11月24日掲載)

本田さんにインタビュー

「ファンキーぷれいやぁず」をお伺いして、本田倫寛さんにお話を聞きました。(2020年1月10日)

「ファンキーぷれいやぁず」店内

落ち着いた雰囲気の「ファンキーぷれいやぁず」店内。奥にはテーブル席もあり、大人数のパーティなどもできる

「私が生まれた年に父がこの店を開き、今年で44年目。27歳の時に跡を継ぎました。お店の場所も名前も昔のまま」と話す本田さん。バーカウンター(8席)のほかにテーブル席(50席)があり、ピザや肉、魚料理などのコースも充実。大人数でもゆったり楽しめるレストランバーです。

カウンターの上にあるフードメニューの一部。好みの料理を組み合わせて、飲み放題のコースにすることもできる

――マジックを見せてくださるそうですね。

本田さん バーカウンターのお客さまからリクエストがあった時にお見せしています。マジックは10歳の時に初めて父から手ほどきを受け、22歳から5年ほど、九州各地などで上演するプロマジシャンのアシスタントとして修業しました。カウンターで披露するのはカードマジック。お客さまと会話をしながら、臨機応変に技を繰り出せるところが魅力です。

スマートなカードさばきを見せる本田さん。バーカウンターでは本田さんのカードマジックを見ることができる

――どんなお酒が人気ですか。

本田さん 人気はハイボールと、ジントニックなど。特にハイボールは数年前から、「とりあえずビール」の代わりに選ぶお客さまが増えています。バーカウンターのお客さまの中には、スコッチやバーボンなど、さまざまなウイスキーでハイボールを楽しむ方もおられます。甘めのものや辛口など、お客さまの好みに合ったウイスキーをお薦めしています。

カクテルを作る本田さん

――バーテンダーの仕事の魅力は。

本田さん 私は小さいころからサービス業をやりたいと思っていて、18歳の時から父を手伝って店に立ちました。この仕事の面白さは「お客さまからのレスポンスが早い」こと。接客やお酒、料理などで工夫や努力をすると、「おいしい」「ありがとう」などの言葉をいただいたり、いちげんの方が再び来店してくださったりするなど、お客さまの反応が早いんです。もちろん、思い通りにいかないこともありますが、お客さま一人一人との出会いを大切にできることが魅力です。今流行のお酒は何か勉強したり、カクテル作りの技術を磨いたり、「凡事徹底」をモットーにしています。

下通アーケードにある「ファンキーぷれいやぁず」の看板

「ファンキーぷれいやぁず」店舗情報

住所 熊本市中央区下通1丁目9-13 IKEZONOビル地下3階(下通アーケード内)

アクセス 熊本市電「花畑町」電停から徒歩5分
営業時間 月~日、祝日、祝前日18時~26時
フードのラストオーダー25時半
定休日 元日のみ休み
電話 096-322-2555
システム カクテル600円~、20時からチャージ料金500円(1フード付き)=いずれも税別
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