「ダンスでみんなを明るく笑顔に」 ダンスアーティスト・葉山悠介さん 振り付けや舞台、他分野とのコラボにも挑戦

「ダンスでみんなを明るく笑顔に」 ダンスアーティスト・葉山悠介さん 振り付けや舞台、他分野とのコラボにも挑戦

【令和に咲く】新時代担う若者に同世代の記者がインタビュー

熊本日日新聞社の「平成生まれ」の記者たちが、IT業界やアート、音楽など、さまざまな分野で挑戦を続ける、熊本県出身や在住の同世代の若者を取り上げる連載「令和に咲く」。

今回はダンスアーティストの葉山悠介さん(25)を取材しました。記事と写真は、社会部の國崎千晶記者(26)が担当しました。

15歳でダンスに魅了も「仕事にできるのか」 悩みを抱え留学

葉山悠介さん

イベントでコンテンポラリーダンスを披露する葉山悠介さん=熊本市中央区

12月中旬、熊本市で開かれたイベントの会場に、コンテンポラリーダンスを披露する葉山悠介さん=益城町=の姿があった。ギターの演奏の中、滑らかな動きで観客の間を自由に回り、時折、体を床や柱に沿わせる。何かを追い求めるように伸ばした指先を見つめる瞳は力強い。

ダンスアーティストで振付師。「ダンスで熊本ににぎわいをつくり出したい」と舞台活動や指導に取り組む。

15歳でダンスに魅了され、今まで打ち込んできた。しかし大学時代、壁にぶつかった。地方では舞台出演の機会やレッスン指導の場が限られる。「熊本でダンスを仕事にすることはできないのではないか」。2016年4月、悩みを抱えつつ米ニューヨークに留学した数日後に、熊本地震が故郷を襲った。

熊本地震の支援金集めで試行錯誤 経験が舞台や振り付けにいきる

「自分だからできることがあるはずだ」。現地で、路上パフォーマンスによる支援金集めを始めた。しかしダンスの本場では、ただ踊っているだけでは見てもらえない。人目を引く派手な振り付けを取り入れ、英語の看板にくまモンの絵を貼り付けた。次第に「応援してるよ」と声を掛けられ、支援金を渡されることも増えた。

「微力でも、自分の踊りで故郷に興味を持ってもらえてうれしかった。あの時工夫した経験が今の舞台づくりや振り付けにも生きている」と振り返る。

1年の留学から帰国後、地元企業から動画用の振り付けを依頼され、「仕事の場は広げられる」と実感した。「ダンスを通して、みんなを明るく笑顔にしたい」と心を決めた。

「ダンスで町おこし」目標 イメージは「盆踊りの現代版」

子どもたちにダンスの振り付けを指導する葉山さん

子どもたちにダンスの振り付けを指導する葉山さん=合志市

大切にするのは他分野とのコラボレーション。昨年は朗読、音楽、そして花とコラボした舞台も実現した。「より面白いものができる。ダンスに興味がない人にも触れてもらう機会になる」

ダンスによる町おこしへの挑戦も目標だ。イメージは「盆踊りの現代版」。「一体感や楽しかった記憶が残れば、また来年も来ようね、とにぎわいにつながるんじゃないかな」

(2019年12月20日付熊本日日新聞朝刊掲載)

葉山悠介(はやま・ゆうすけ) 略歴

1994(平成6)年生まれ。東稜高、熊本学園大卒。2018年、県の「くまもと若手芸術家海外チャレンジ事業」の助成を受け、イスラエルで舞台芸術やコンテンポラリーダンスを学んだ。

〈取材を終えて〉 「楽しむこと」大事に

「楽しむことを大事にしている」と語る葉山さん(右)

中学時代は野球少年だったという葉山さん。ある日、テレビに映ったお笑い芸人の岡村隆史さんが踊る姿にくぎ付けになった。ダンスのキレに加え「本当に楽しそうで、すぐに自分もやりたくなった」。それから10年たった今でも、「観客も一緒に踊る人も、そして自分も楽しむこと」を大事にしているそうだ。シンプルだが、日常に追われて二の次になりがちだったかも。忘れないようにしたい。(國崎千晶)

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