日本初の五輪選手、金栗四三の足跡たどる いだてん育んだ玉名、和水を走る

日本初の五輪選手、金栗四三の足跡たどる いだてん育んだ玉名、和水を走る

ゆるっとチャリ旅

自転車でゆっくりペースで熊本市近郊などを走り、立ち寄りスポットを紹介するシリーズ「ゆるっとチャリ旅」。

NHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の〝完走〟に合わせ、日本初の五輪選手、金栗四三の足跡を振り返りながら、ゆかりの地の熊本県玉名市と和水町でペダルを踏みました。(熊本日日新聞社読者・NIEセンター 鹿本成人)

ちず

赤い線が今回の走行ルート。番号で表示しているのが、写真入りで紹介する立ち寄りスポット(各写真の説明文に番号)

※2019年12月8日付熊本日日新聞夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点のものです。

スタートは「大河ドラマ館」 気分も「いだてん」に

いだてん大河ドラマ館の展示

①金栗四三の生涯を紹介する、いだてん大河ドラマ館の展示=玉名市

スタート地点に選んだのは、玉名市繁根木の「いだてん大河ドラマ館」。金栗が苦労しながらストックホルム五輪に出場し、多くの人と関わりながら女子スポーツやマラソンの普及に取り組んだ様子がよく分かります。観光で神奈川県逗子市から来ていた荒木章さん(71)は、「ストックホルムへ行くだけでも大変な時代に、プレッシャーを感じながら必死で走ったんでしょうね」と感慨深げ。

自転車にまたがり、ドラマ館を後に。気分は「いだてん」です。菊池川沿いで金栗のマラソン世界記録と同じくらいのスピード(時速約17キロ)で進むと、意外に速い。こんなペースで2時間半以上も走り続けたのかと思うと、金栗の超人ぶりがうかがえます。

金栗四三住家・資料館を見学 道の駅では逸話基にしたレモネード

金栗四三住家・資料館の前に広がる水田

②金栗四三住家・資料館の前に広がる水田。晩年、周辺を散歩する金栗は、とても速足だったという=玉名市

最初の訪問地、玉名市上小田の金栗四三住家・資料館では、金栗が趣味で撮影したという家族写真や、晩年まで過ごした民家を見学。案内してくれた小田地区金栗四三PR推進部会の関章さん(68)は「大河ドラマで表現されている通り、夫婦仲は良かったですね」。生前の金栗夫妻を知る同部会の星子一美さん(77)も「妻のスヤさんは、いつも四三さんを家の前の道に出て見送っていましたよ」。

さらに菊池川沿いを走り「道の駅きくすい 菊水ロマン館」(和水町)のレストランに立ち寄りました。ストックホルム五輪で途中棄権した金栗が、沿道の住民に助けられた際にレモネードを提供された逸話を基にした「4×3LEMONADE(よんさんレモネード)」を味わいました。甘酸っぱいミカン味で記者も元気を回復。

4×3LEMONADE

③菊水ロマン館のレストラン「なごみ庵」で飲んだ4×3LEMONADE(よんさんレモネード)。コースターもオリジナル

金栗の原点の一つ 幼少期を紹介する「生家記念館」

金栗の幼少期を紹介する「生家記念館」(和水町)へ向かう途中、「金栗四三かけあし登校の道」の看板を見つけました。これは走らねばと思って進むと、アップダウンの繰り返しに息が上がります。こんな山道を、小学生の金栗が毎日往復12キロも走ったことに驚かされました。

生家記念館

④金栗の幼少期を紹介する「生家記念館」。地元スタッフに案内してもらえる=和水町

記念館は、造り酒屋だった生家がほぼそのまま残り、成績優秀だった金栗の勉強部屋などがあります。のちに教壇に立ち女子スポーツ教育に取り組んだ金栗の原点の一つでしょう。

同館スタッフの内野祐治さん(67)によると、記念館周辺の風景は、金栗が生きていたころとほとんど変わらないといいます。郷土の偉人を育んだ山里の空気を胸いっぱいに吸い、帰途に就きました。

【お気に入りの1枚】 民家や林、棚田の風景楽しめる 金栗の通学路「登校の道」

金栗四三かけあし登校の道

金栗四三が毎日走って通学した「金栗四三かけあし登校の道」。山里の道は坂道が多いのですが、民家や林、棚田が連なる風景は退屈せずに楽しめます。道の終点は、南関第三小(南関町)。かつては金栗が通った「玉名北高等小学校」でした。

走行ルートと立ち寄りスポット

金栗四三は、大河ドラマの中では比較的近い時代の人物です。それだけに生前の金栗を直接知る人が多く、記事には書ききれない、たくさんのエピソードを聞くことができました。郷土の偉人を、ぐっと身近に感じました。

※地図上の走行ルートは、GPS機器で位置情報を把握した主要ポイントをつなげたものです。あくまで目安であり、詳細でみると、実際の走行ルートと一致しない部分もあります

【走行MEMO】
走行距離    32キロ
走行時間  1時間45分
平均時速    18キロ
高低差   112メートル
所要時間  3時間30分
(サイクルコンピューターなどによる)

【Google Earthによるルート動画】

【サイクリング楽しむためのプチ助言】 朝夕と日中、激しい寒暖差 小物や重ね着が重宝

サイクリングウエア

スポーツ向けのアンダーウエア(右)と冬用のサイクリングウエア。冬のサイクリングには、グローブも不可欠

日ごとに寒さが厳しくなってきました。とはいえ日差しがあるとポカポカ陽気で暑さを感じるほどです。朝夕と日中は寒暖の差も激しく、服装には悩みますね。

サイクリングウエアを持っている人なら、アームウオーマーやレッグウオーマーといった小物が重宝します。

普段着だと、重ね着が有効です。インナーウエア(肌着)は、汗の水分をためないスポーツ向けのものの使用を。アウターウエアは、前面からの風を防ぎ通気性の良いものがお勧めです。ナイロン系のウインドブレーカーは蒸れるので、脱いだ時に冷えてしまいます。胸やおなかが冷えないベストは良いですね。

それから、三つの首(首・手首・足首)を冷やさないよう心掛けてください。ネックウオーマーだけでも随分変わります。

耳までかぶる毛糸の帽子は真冬でも役立つほか、風よけになるサングラスは涙が出るのを防いでくれます。(熊本県サイクリング協会・岩永茂利)

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