天秤、温度計、体重計… あらゆるはかり扱う「はかりや」(熊本市中央区魚屋町)

天秤、温度計、体重計… あらゆるはかり扱う「はかりや」(熊本市中央区魚屋町)

ぶらり新町・古町

熊本市の新町・古町をさるく。町屋があり、歴史的な橋がある。履物店をのぞき、写真館を見てはいにしえの町並みを想像する。横浜からの単身赴任者には、物珍しいことばかり。きょうもぶらぶらと、そぞろ歩きを始めた。

明治創業の専門店 その数なんと1000種類

店は電停呉服町の目の前にある。三井住友銀行熊本支店も近かった

天秤、温度計、体重計…。家庭用から業務用まであらゆる「はかり」を扱う。電停呉服町の目の前にある店名は、その名も「はかりや」(熊本市中央区魚屋町)。散歩のたびに気になっていたお店に入った。

九州でも珍しいはかり専門店で、創業は1942(明治42)年だという。切り盛りしているのは、前回の東京五輪が開かれた1964(昭和39)年生まれの藤本剛さん(55)。「店には1000種類のはかりを用意しております」と言う。

「はかりがあると生活が楽しくなる」と藤本さん。『オーブンで焼いたサツマイモの中心温度は?』『回転ずしのシャリの重さは何グラム?』。そう考えると楽しいですよね」と問い掛けてきた。うーん。確かに。興味深い。世界観が広がるかも。

今は目にしなくなった「棒ばかり」も

棒ばかり

棒ばかりを持つ藤本さん

店内には今は目にしない、「棒ばかり」(非売品)があった。木製の棒の片側に商品(魚や野菜など)を乗せ、もう片方に分銅(おもり)をつり下げて、棒が水平になるようにする。

「その昔、行商の方々は、持参していたはずです」。商品だけではなく、「棒ばかり」と分銅を身につけて、歩いていたのだ。「手首を悪賢く使って棒を水平にしないで、ちょろまかした行商もいましたよね」と藤本さんは笑う。「棒ばかり」を小型化したものが、銀秤(ぎんひょう)。薬を計量するのに使われる。

実は最近ショックなことが起きたという。国内に二つしかない上皿自動はかり(国家検定品)メーカーの一つが経営破綻したのだ。藤本さんは「デジタルではなく、目盛りで重さを量りたいというお客さんがいるので…」と顔を曇らせた。

自分の経験では、少し前まで百貨店の食材コーナーでは、上皿自動はかりで計ってもらってお総菜を買っていた。赤い針がぶらぶら動き、針が止まるか止まらないかのだいたいのところで売り買いしていた。最近はデジタルで、店員はぴったりの重さになるまで食材を載せたり取ったりしている。「そこまで正確でなくてもいいのですけど」と言いたくなるのは自分だけだろうか。

デジタルの時代でも欠かせないツール

棒温度計

棒温度計。理科の授業で使った気がする。

かつては家の柱に寒暖計を付けている家庭が多かった。「最近はエアコンの設定温度に任せてしまう人が増えている。寒暖計でチェックして、自分のセンサーを高めてほしい。健康にもつながりますので」と藤本さん。

お店にはさまざまな職業のお客さんがやってくる。ノリ漁師は、海水の比重を調べるために「比重計」、食品関係者は商品の中に火が通っているかを調べる「中心温度計」、和裁の先生は「鯨尺」を買い求める。

鯨尺

主に布を計る鯨尺

デジタルの時代となり、スマートフォンやアプリで、温度や長さを調べようと思えばできる。将来、重さもスマホで推計できるかもしれない。

それでも藤本さんは「健全な経済活動やデータ収集のために、正確なはかりが必要です」と語る。上皿自動はかりには定期的な検査がある。体重計は緯度や高度によって微調整が必要だ。

藤本さんは「みなさんのために働いているという自負があります」と襟を正した。

店舗情報

住所 熊本市中央区魚屋町2丁目21

アクセス 熊本市電「呉服町」電停そば
営業時間 9時~18時
定休日 土・日曜、祝日
電話 096-352-3038
公式HP https://www.kgmg.jp/

※情報は2020年2月4日時点です。

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