正代、悔しい準V し烈な優勝争い、故郷は興奮 熊日紙面で初場所振り返り

正代、悔しい準V し烈な優勝争い、故郷は興奮 熊日紙面で初場所振り返り

2020年の大相撲初場所(1月12~26日、東京・両国国技館)は、幕内最下位の西前頭17枚目徳勝龍(33)が14勝1敗で初優勝を飾りました。熊本市出身の元幕内肥後ノ海が親方を務める木瀬部屋からは初めての優勝力士となりました。

この場所で、もう一人の主役だったのが、熊本県宇土市出身の西前頭4枚目正代(28)=本名・正代直也。13勝2敗と、熊本県出身力士として初めての優勝まで、あと一歩及びませんでした。それでも、千秋楽まで徳勝龍と平幕同士のし烈な優勝争いを演じ、横綱不在の場所を最後まで沸かせました。故郷の宇土市では連日、パブリックビューイングが開催され、住民たちが大きな声援を送り続けました。正代が勝利した夜、打ち上げられる花火は、宇土の名物になりました。

初場所千秋楽、御嶽海を破り13勝目を挙げた正代(奥)=2020年1月26日

熊本日日新聞は、正代の活躍を連日、大きく報道しました。大きく飛躍した「期待の大器」の15日間を紙面で振り返ります。

※情報は2020年1月26日、新聞記事中の情報は掲載時点です。

無傷の6連勝 愚直な攻めで元大関に快勝(6日目)

序盤から、白鵬、鶴竜の両横綱が不在となる波乱の展開となった初場所。6日目、早くも勝ちっ放しは平幕の正代1人となりました。最高位が関脇の実力者、正代も、幕内で初日から6連勝は初めてです。

この日は元大関の栃ノ心に正面から当たり、力強く寄り切りました。この場所は立ち合いで出遅れる癖が影を潜め、愚直にぶつかる姿勢が目立ちました。

 

1月18日付熊本日日新聞掲載の紙面

 

大関豪栄道に破れ、初黒星(7日目)

7日目、正代は、かど番の大関豪栄道に送り倒しで初黒星を喫し、全勝力士がいなくなりました。1敗は大関貴景勝と、平幕の遠藤、正代、照強、徳勝龍です。

1月19日付熊本日日新聞掲載の紙面

敗戦引きずらず、難敵の朝乃山に勝利(8日目)

8日目、正代は前日の初黒星を引きずらず、難敵の関脇朝乃山を破りました。突っ張りを下からあてがってこらえ、反撃。なおも出てくる相手をすくい投げで仕留めました。

1月20日付熊本日日新聞掲載の紙面

大関貴景勝破り勝ち越し 全身で喜び表現(9日目)

9日目、正代は結びの一番で大関貴景勝を破り、勝ち越しを決めました。幕内で9日目の勝ち越しは自己最速。押し相撲の大関をはね返す、力強い立ち合いでした。反撃を許したものの、タイミングを計ったかのように右へ動いて突き落とし。思わず土俵の上で2度、3度と小さく跳びはね、花道を引き揚げる時には笑みを浮かべながら小走りするなど、全身で喜びを表しました。

1月21日付熊本日日新聞掲載の紙面

強烈な押し 1敗のまま終盤へ(10日目)

10日目、正代は松鳳山を力強い内容で寄り切り。立ち遅れたものの、松鳳山の突き、押しをさばいて左を差しました。がっぷりになる前に強烈な右はず押しで相手を大きく浮き上がらせて寄り切りました。徳勝龍との平幕2人で1敗をキープし、終盤へ向かいました。

1月22日付熊本日日新聞掲載の紙面

土俵際の粘り鮮やか 首位キープ(11、12日目)

11日目、12日目は、いずれも土俵際の攻防で粘りを発揮しました。11日目は新小結大栄翔の激しい突き、押しを浴びても、圧力をかけ続け、土俵際で回った相手を逃がさずに押し出しました。12日目は、阿炎の突きにのけ反りながら必死にこらえ、土俵際で逆転の突き落とし。辛勝に「立ち遅れた。勝つイメージが全然湧かなかった。苦し紛れですよ」と頭をかいた正代。依然、徳勝龍と1敗でトップです。

1月24日付熊本日日新聞掲載の紙面

力強く、一気に寄り切り12勝目(13日目)

残り3日となった13日目。正代は輝に勝ち、12勝目を挙げました。阿炎の突きに苦戦した前日とはうって変わり、一気に前に出て土俵を割らせる力強い相撲を披露。立ち合い直後に相手の上体を起こしました。一瞬押し返された後、左右をねじ込み、もろ差しから一気に寄り切りました。この時点で、優勝は1敗の正代と徳勝龍、2敗の貴景勝の3人に絞られました。

1月25日付熊本日日新聞掲載の紙面

徳勝龍との首位対決で苦杯 2敗で逆転Vに望み(14日目)

14日目、12勝1敗で並んでいた徳勝龍との首位決戦。突き押しで敗れ、2敗となり自力優勝がなくなりました。左を差して寄りましたが相手の左突き落としを残せませんでした。支度部屋に戻った後はショックを隠せませんでしたが、帰り際はファンのサインに丁寧に応じる姿もありました。

この日、2敗だった大関貴景勝は3敗目となって優勝戦線から脱落。賜杯の行方は徳勝龍と正代の2人に絞られました。千秋楽に正代が白星を挙げ、徳勝龍が敗れれば、ともに13勝2敗となって優勝決定戦にもつれ込むため正代の初優勝の可能性は残りました。

1月26日付熊本日日新聞掲載の紙面

会心の取り口 来場所につながる13勝(千秋楽)

千秋楽の相手は、過去2度の優勝経験があり、勝ち越しがかかり意気込んでいる御嶽海。負けた時点で徳勝龍の優勝が決まります。正代は、もろ差しを狙う相手の両腕をきめながら前進し、一方的に押し出しました。会心の取り口で、13勝目です。

残念ながら、結びの一番で徳勝龍が貴景勝に勝ったため、優勝決定戦、逆転優勝は幻に終わりました。それでも平幕として優勝争いを演じた奮闘は、4度目の敢闘賞という形で報われました。

千秋楽で、13勝目を挙げたことを報じた1月27日付熊本日日新聞掲載の紙面

 

正代が優勝決定戦に臨めなかった悔しさをにじませたことや、熱心に応援した宇土市の住民たちが健闘をたたえたことを取り上げた1月27日付掲載の紙面

 

13勝2敗は幕内に上がって自身最高。2場所連続の2桁勝利も初めてです。正代自身、「もう一番取りたかった」と悔しがる一方、「来場所につながりそう。いいイメージがある。負けた相撲も悪くない」と手応えも口にしました。

春場所も好成績を残せば、大関の座がぐっと近づきます。実現すれば、熊本県出身の力士としては昭和30年代に活躍した天草市(旧牛深市)出身の栃光関以来となります。熊本日日新聞は、これからも「覚醒した大器」正代関の活躍を大きく取り上げていきます。

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