熊本のスナックめぐり 南坪井町「きまぐれCafe デビュー夫人」編 気さくな接客、自慢の喉も披露【動画付き】

熊本のスナックめぐり 南坪井町「きまぐれCafe デビュー夫人」編 気さくな接客、自慢の喉も披露【動画付き】

スナックのママ物語

熊本市のネオン街にあるスナックのママさんたちが、月替わりで、夜の街のエピソードを語る、大好評の熊日連載「ママさんぽ~熊本のスナックめぐり」(毎週金曜夕刊「街・まち」面)。

「cross kumamoto(クロスくまもと)」では、各月分を1回にまとめ、未掲載の写真や、お店に関する情報、熊日紙面に登場したことへのママさんの感想などをプラスしてお届けします。

今回は2019年11月に掲載した南坪井町「きまぐれCafe デビュー夫人」オーナーで音楽活動もしているハニーローラァさん(58)の「ママ語り」です。

※情報は2020年2月6日時点です。来店する際、お店に確認してください。

自身のCDを手にするハニーローラァさん=2020年1月30日、熊本市中央区南坪井町の「きまぐれCafe デビュー夫人」

〈第1話〉 鹿児島出身、幼いころから母のスナックで歌う

仕事の関係で熊本で暮らし始めたのは、42歳の時です。生まれは鹿児島市の天文館。父はクラブや料亭を経営し、母はスナックを営んでいました。カラオケのない時代でしたから、お店で伴奏などをする「流し」の人と家族ぐるみのお付き合い。小学校に入る前から、流しの人と一緒に店に立ち、歌っていました。根っからの「繁華街育ち」ですね。

初めて本格的に歌ったのは、中学校で合唱部に入ってから。初め父は「音楽で生きていくことは許さない」と入部に反対したのですが、しぶしぶ許してくれたんです。カトリック系の女子校で、聖歌を歌っていました。今でも当時の楽譜は大切にしていますよ。

「きまぐれCafe デビュー夫人」のボックス席

ただ、短大卒業後は金融機関に勤め、その後、古着リメークを仕事にするなど、しばらく歌とも水商売とも無縁な人生でした。それが40代も半ばを過ぎて、熊本でお店を出すことになって。母から「血が騒いだのかな」と言われました。

(2019年11月1日付掲載)

〈第2話〉 自覚ないけど、「人使い荒い」と ニックネームは「歌う女王蜂」

2009年9月に、南坪井にお店を出すことが決まり、「水商売に“デビュー”だな」と思ったんです。デビュー、デビュー、とつぶやいていると「デビュー夫人」というフレーズが頭に浮かんで。もっとも、それまでに飲食業の経験はなく、同じ味の飲み物や料理を毎日作る自信はありません。そこで「気まぐれで味が変わります」という意味を込めて、「きまぐれCafe デビュー夫人」という店名にしました。

お店は「歩小路」という通りに面したビルの2階。窓を開けていると、通りがかった人の「デビュー夫人って、面白い名のお店があるよ」という会話が聞こえてくるんです。でも、知らないお店に入るには勇気がいるようで、いちげんさんから「知ってはいたけど、入るまでに3年かかりました」なんて言われます。

 

インパクトのある店名が目を引く、ビル入り口に置かれた看板

「ハニーローラァ」は、主に音楽活動の際に使う名前で、2018年9月にCDを発売する際に考えました。もともと、お店では、大好きな西城秀樹さんのヒット曲を元に「ローラ」と名乗っていました。そこに私のニックネーム「歌う女王蜂(ばち)」から、「ハニー」をプラス。「ハニーローラ」の画数は縁起が良くない、ということらしくて「ローラァ」としました。「女王蜂」と呼ばれる理由ですか? 私は、店のスタッフなどに対する人使いが荒いそうです。そんなことはないと自分では思っているんですが(笑い)。

(2019年11月8日付掲載)

〈第3話〉 年間100回、福祉施設で昔の歌を披露

ある時、年配のお客さんから「歌がうまいね。東京に出てもいいな」と言っていただきました。東京の銀座や札幌のススキノなどを渡り歩いている人の言葉だけに、「私の歌は、才能なのかな?」とも思いました。ほめていただいたので、歌を役立てる方法はないかと考えていると、周囲の人は「それなら老人福祉施設でしょう」と。2014年から施設に出向くようになりました。

店のステージにはお客さんが演奏するギターやキーボードがある。リクエストに応じて、ハニーローラァさんもステージでマイクを握る

「金色夜叉」、東海林太郎さんの「野崎小唄」、李香蘭さんの「夜来香」…。歌うのは、かなり昔の歌ばかりです。元気な入所者が多い施設では、みなさん手拍子を打ち体を揺すって楽しんでくれます。重度の入所者が多い施設でも、ふだんはじっとしている人が、手を振ったり首を動かしたりします。私の歌で喜んでもらえることがうれしくて、最近は使命感も感じますね。

年間100件ほど出向きます。子どものころに、流しのギターに合わせて覚えた古い歌が、役立っています。

(2019年11月15日付掲載)

〈第4話〉 人間関係の悩みやストレス、吐き出して

熊本県外出身の私からみると、熊本は、出身高校や職場、地域など、自分が属するグループへの愛着が強く、こだわりがあるようです。それだけに先輩後輩など人間関係で悩み、ストレスがたまりやすいように感じます。

だから、うちのお店は、お客さんが苦しいことやつらいことを吐き出して、スッキリする場所にしたいと思っています。私もマスターも、お客さんの話を聞いて、語りかけるのが仕事。「話す」は「離す」にもつながり、話すことで苦しさから離れることができるんじゃないでしょうか。

店内のカウンター。入り口付近(奥)には、コスプレ用の衣装も置いている

落ち込んでいたお客さんが元気を取り戻す様子をみると、本当にうれしくなります。私のお店は、お客さんを回復させる「パワースポット」でありたい。近くには藤崎八旛宮もありますし、本当にパワースポットになっているかもしれませんね。

(2019年11月22日付掲載)

〈第5話〉 素晴らしい人と出会い、楽しいことを

きらびやかな装飾やイベントのポスターが張られた「きまぐれCafe デビュー夫人」の入り口

金融機関のOLや古着リメーク、美容関係など、いろんな仕事をして、40歳代でお店を出しましたが、水商売の面白さは「出会い」にあるようです。私は自分のことを「楽しいことを探す人」だと思っているのですが、不思議と素晴らしい人に出会うんですよ。

私が老人福祉施設へ慰問に行くようになったきっかけは、お客さんのひと言でした。矢沢永吉さんや鈴木雅之さんらのステージを支えたサックス奏者で、著名な音楽プロデューサーでもある沢井原兒さんとも、別のお客さんを介して出会えました。沢井さんは私のことを「歌に愛がある」「いろんなジャンルの曲を歌える」と評価していただき、オリジナル曲でのCD制作につながりました。地元企業のラジオCMでも歌っています。

2019年5月には「改元に合わせて新しいことをしたい」と思って、沢井さんを招いて音楽を中心としたイベント「ハニフェス」を熊本市のライブハウスで開催しました。半年後の11月に2回目を開き、2020年3月には第3・第4回も予定しています。「ハニフェス」では、熊本にゆかりがある人を中心に、さほど有名ではないけれど、才能があって「覚悟」をもって、音楽、芸能に取り組んでいる人たちと一緒にやっていきます。これからも素晴らしい出会いを探して、新しいことにチャレンジしていきます!

(2019年11月29日付掲載)

ハニーローラァさんにインタビュー

ハニーローラァさんに、熊日紙面に登場した反響などを聞きました。(2020年1月30日)

――熊日紙上で自身のエピソードや音楽にかける思いを語っていただきました。反響はありましたか?

ハニーローラァさん かなり反響ありましたよ。常連のお客さんから「記事を読んだよ」とたくさんお電話いただきました。掲載された紙面を持参した方も。記事がきっかけで、初めて来店された方も少なくありませんでした。「歌を聴きに来ました」といった感じで。

熊日の連載「ママさんぽ」の記事のコピーを手にするハニーローラァさんと夫であるマスターの園田和昭さん

――「きまぐれCafe デビュー夫人」は、どんな雰囲気のお店ですか?

ハニーローラァさん 気さくでアットホームな店です。肩書がある人にも、仕事がない人にも、友だちのような感じで接客します。お客は、20代から90歳くらいまで。仕事仲間で、友人同士で、家族連れで、と本当にさまざま。県外出身の若い方が、故郷の両親を連れて来てくれたこともあります。

――お店では、どんな曲を歌いますか?

ハニーローラァさん 得意というか、お客さんに喜んでもらえるのは、高橋真梨子さん、桑田佳祐さん、ちあきなおみさん、西城秀樹さん、スターダスト・レビューといったところでしょうか。熊日の記事でも触れましたが、私は聖歌(讃美歌)も得意。カラオケもありますので、ぜひ聴いてほしいです。

店舗情報

住所 熊本市中央区南坪井町2-20 第五ミヤモト歩小路ビル2階

アクセス
  • 歩小路、「ビアレストラン壱之倉庫」隣
  • 白川公園前バス停から徒歩3分、藤崎宮前バス停から徒歩6分
  • ホテル日航熊本から徒歩7
営業時間 18時~24時
定休日 不定休
電話 0120-850-427
システム 飲み放題・歌い放題3000円(1時間半)ほか
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