九州新幹線で水俣市へ日帰り旅行 熊本から25分で海山の風情楽しめる

九州新幹線で水俣市へ日帰り旅行 熊本から25分で海山の風情楽しめる

日帰りバス・鉄旅

熊本市を起点に、路線バスや鉄道を使ってスローな「日帰り旅」を楽しむこの企画。

この企画は、日帰り旅行のさまざまなスタイルの紹介が目的です。今回は、新幹線で熊本県内日帰りもありということで水俣市へ向かいました。熊本から大阪まで約3時間も速いですが、水俣まで25分というのがよけいに速さを実感しました。(熊本日日新聞社編集委員室 津留三郎)

旅のしおり

地図

※2020年2月4日付熊日夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点です。

熊本からあっという間に到着 エコパーク水俣の「恋人の聖地」へ

九州新幹線

熊本駅のホームに入ってきた鹿児島中央行きの新幹線

熊本から八代までは外の景色が見えましたが、八代からはほとんどトンネル。どのあたりを走っているのかと考える楽しみはないまま、あっという間に新水俣駅に到着しました。路線バスに乗り、水俣湾を埋め立ててできたエコパーク水俣に向かいます。

バラ園や親水護岸、スポーツ施設、道の駅など、さまざまな施設が集まった広大な公園で、入り口から親水護岸まで行くのに思っていた以上に歩きました。美しい恋の伝説が残る恋路島を臨む場所には「恋人の聖地」のモニュメントがあります。

恋人の聖地

エコパーク水俣内にある「恋人の聖地」のモニュメント。奥に見えるのが美しい恋の物語が伝わる恋路島

恋路島の伝説として語られているのは、薩摩・島津軍の若き武将川上左京と、その新婚の妻にまつわる悲恋の伝説です。

安土桃山時代の天正12年、川上左京が水俣から戦地島原に出陣しました。見送った新妻は夫を慕う心を抑えきれず、小舟で後を追い恋路島へ渡りました。妻は海辺に石を積み重ねて夫の無事を祈り続けましたが、再会果たせずこの世を去りました。帰ってきた左京は、妻が築いた石積みを抱き締め泣いたといいます。その石積みが恋路島の西端にある「妻恋岩」とされています。

「みなくるバス」で湯の鶴温泉へ ひと風呂浴びて散策

みなくるバス

ルートによって車体の色が異なる「みなくるバス」

水俣駅まで歩いて向かう途中、水俣に来る時は必ず立ち寄る菓子店で「かりんとう万十」を買いました。市内では「みなくるバス」と名付けられたコミュニティーバスが走っています。「みんな乗ってくるバス、みんなが集まってくるみなまたのバス」になるよう願いを込めたといいます。

海の景色を満喫した後は、湯の鶴温泉で山里の雰囲気を味わおうと「みなくるバス」で向かいます。路線ごとに車体の色が違っており、湯の鶴温泉方面に向かうのは鮮やかなオレンジ色でした。湯の鶴温泉センターでひと風呂浴びてあたりを散策します。湯出川沿いに建物が並ぶ光景は風情があります。水俣は海もよし山もよしです。

湯の鶴温泉

湯出川沿いに広がる湯の鶴温泉。山の湯の風情が漂う

JR山野線跡を利用した「日本一長~い運動場」 全長13キロ

日本一長~い運動場

「日本一長~い運動場」の旧山野線深川駅跡付近。右奥に見えるのは休憩所

次の目的地は「日本一長~い運動場」。水俣駅の近くから山間部の方に続く全長約13キロの自転車と歩行者の専用道路です。水俣駅と肥薩線の栗野駅(鹿児島県)を結んでいて、1988(昭和63)年に廃止になったJR山野線の跡を利用しています。

日本一長~い運動場

「運動場」の道路上に設けられた山野線跡を示すプレート

今回は、「みなくるバス」の各路線の時刻表とにらめっこしながら、どういう順番で回ればいいか頭を悩ませました。そんな時、水俣と鹿児島空港を結ぶ南国交通(鹿児島市)の路線バスがあることを思い出し、そのバスを使うことであっさりプランができました。

南国交通のバスでまずお目当ての食堂を目指します。とここまではよかったのですが、どこで降りればいいかよく調べていなかったため、気付くまでに停留所二つを乗り越し、20分ほど歩いて戻る羽目に。

「日本一長~い運動場」は食堂のすぐ近くを通っています。山間部の方に向かって真っすぐ延びる道を歩きだすと、すぐにかつての深川駅跡に着きました。トイレを備えた立派な休憩所がありました。平日の昼だからか数は少なかったのですが、ウオーキングやサイクリングの人とすれ違いました。

日本一長~い運動場

サイクリングを楽しむ人も多い「運動場」

数年前、県外からUターンした山川達美さん(72)は、天気のいい日に4キロほど歩くといいます。「車を気にせずに歩けるのがいいですね」。こちらも1時間以上かけて4キロ余り歩きました。

自転車と歩行者の専用道路として利用されている、どこまでも真っすぐな「運動場」

帰りは肥薩おれんじ鉄道とJRを乗り継ぎました。おれんじ鉄道はボックス席だったので車窓風景を満喫しました。のんびり進むのもやはりいいですね。

旅で立ち寄ったスポット

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