熊本城マラソンのコースを自転車で“試走” 城下町、田園…歴史を体験

熊本城マラソンのコースを自転車で“試走” 城下町、田園…歴史を体験

ゆるっとチャリ旅

自転車でゆっくりペースで熊本市近郊などを走り、立ち寄りスポットを紹介するシリーズ「ゆるっとチャリ旅」。

2月16日は、「熊本城マラソン2020」が行われました。42.195キロを2本の脚で走りきる自信はないのですが、せめてランナー気分だけでも味わいたい。フルコース部門の「歴史めぐりフルマラソン」を事前に自転車で走りました。(熊本日日新聞社読者・NIEセンター 鹿本成人)

ちず

赤い線が今回の走行ルート。番号で表示しているのが、写真入りで紹介する立ち寄りスポット(各写真の説明文に番号)

※2020年2月14日付熊本日日新聞夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点のものです。

老舗の菓子店や鍛冶屋 「歴史めぐり」実感する川尻地区

川尻地区

①歴史を感じさせる建物が連なる熊本市南区の川尻地区

スタートは、買い物客やビジネスマンでにぎわう熊本市中央区上通町。市街地は車が多いため、自転車通行可の歩道を慎重に進みます。マラソン当日、ランナーは広々とした車道を走るのかと思うと、うらやましく感じます。

市街地を抜け白川をまたぐ熊本西大橋(熊本市西区)で、熊本城マラソンへ向けて試走中の宮尾有さん(51)=熊本市中央区=に声をかけました。今年で3回目の参加といいます。数年前、病気治療を目的に走ることを思い立ち、参加を始めた宮尾さん。「体調はすっかり良くなりました。今では野山を走るトレイルランがお気に入りです」

橋を下りて熊本市南区に入り、アクアドームを右手に見ながら進んでJR鹿児島線を越えると、川尻地区の街並みです。老舗の菓子店や鍛冶屋が並び、マラソンのタイトル「歴史めぐり」を実感します。白壁が美しい酒造会社、瑞鷹の前では、おいしそうな新酒の発売を告げる看板を見つけました。試飲したいですが、自転車も飲酒運転は禁じられています。ぐっとこらえて、ペダルに足をかけました。

海風に消耗 お好み焼き店でエネルギー補給

川尻地区から西へ向かうと視界が開け、広々とした田園地帯に入ります。畑でネギやハクサイが育ち、ビニールハウスではナスの収穫中。あぜ道に青い芽がちらほら見え、近づく春を感じました。

県道熊本港線

②県道熊本港線の西側の折り返し点には、花のプランターが並べられていた。ランナーの目を楽しませそうだ=熊本市西区

遮るもののない県道熊本港線で有明海から吹く風に消耗して、30キロ地点を過ぎたところでエネルギー補給。お好み焼き店「笑笑(ゲラゲラ)」に寄りました。馬すじやイカなど具だくさんの「おとんスペシャル」は、ふわっとした焼き上がり。経営する秋山明美さん(56)によると毎年、マラソン当日には店周辺で大勢の人が応援するといいます。「今年も応援の方々から、昼食の注文をたくさんいただいてます」とニッコリ。

笑笑(ゲラゲラ)

③お好み焼き店「笑笑(ゲラゲラ)」の「おとんスペシャル」=熊本市南区

ゴールの熊本城 石垣には痛々しさも

熊本城

④ゴール地点の熊本城。多くの観光客が、大天守(中央奥)をカメラに収めていた=熊本市中央区

市街地に戻るとゴールの熊本城は間近です。ただし、手前には急な坂道が。ギアを落として、ゆっくり上ります。熊本地震で崩れた石垣が応急修理のままの場所もあり、痛々しく感じます。フルマラソンのゴールの熊本城二の丸は作業が行われていたため、加藤神社を終点としました。

振り返れば、加藤清正が改修を重ねた白川を延べ6回渡り、「肥後五十四万石」を支えた農村や商業で栄えた川尻を巡るコース。確かに歴史を感じられる旅でした。

【お気に入りの1枚】 “難所”の一つ、熊本西大橋

熊本西大橋で景色を楽しんでいると時折、熊本城マラソンの試走とおぼしきランナーが通り過ぎました。高くなった橋中央部の標高は約20メートル。自転車だと難なく上れますが、ランナーにとっては“難所”の一つです。ランナーの背中を見送りながら、当日の快走を祈りました。

走行ルートと立ち寄りスポット

【走行MEMO】
走行距離 42キロ
走行時間 2時間30分
平均時速 17キロ
高低差  31メートル
所要時間 4時間20分
(サイクルコンピューターなどによる)

【サイクリング楽しむためのプチ助言】 事故に備え、保険加入を

自転車と歩行者が入り交じる交差点

自転車と歩行者が入り交じる交差点。自転車は事故の被害者にも加害者にもなる可能性がある=熊本市中央区

身近で便利な自転車は、自動車やオートバイと同じ車両の仲間。乗車中に事故が起きれば、被害者にも加害者にもなる可能性があります。未成年でも事故の責任を免れることはできません。事故の内容によっては多額の賠償金を請求され、支払う義務が生じます。

そんな心配をカバーするために、自転車を対象とする賠償責任保険があります。

ネットの広告で見かけるほか、電話会社やコンビニエンスストアなどで取り扱う保険もあります。傷害保険や火災保険、自動車保険などとセットで加入すると、費用負担が少なく内容も充実しているようです。

また、自転車店で有料の点検を受けて「TSマーク」を貼付された自転車には、賠償責任保障が付きます。

最近では、自転車保険の加入を、条例で義務化する自治体も現れています。

もちろん、保険で備えても、事故を起こしてはいけません。速度を抑えて、安全運転を心がけましょう。(熊本県サイクリング協会・岩永茂利)

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