プラモが山積み! 熊本市米屋町の「マルエス商事」 戦車、戦艦、ガンダム…全国のファン集う模型店

プラモが山積み! 熊本市米屋町の「マルエス商事」 戦車、戦艦、ガンダム…全国のファン集う模型店

ぶらり新町・古町

熊本市の新町・古町をさるく。町屋があり、歴史的な橋がある。履物店をのぞき、写真館を見てはいにしえの町並みを想像する。横浜からの単身赴任者には、物珍しいことばかり。きょうもぶらぶらと、そぞろ歩きを始めた。

6千箱以上の商品 模型の「百貨店」

マルエス商事の外観。店舗は、旧三井住友銀行熊本支店の近くにある=熊本市中央区米屋町

熊本市中央区船場町から職場がある同区世安町の熊本日日新聞社までの通勤路に、気になる模型店がある。マルエス商事(熊本市中央区米屋町2丁目)。プラモデルに囲まれた店舗には全国の模型ファンが集まるという。

戦車、戦艦、飛行機、車、バイク、鉄道、ガンダム…。天井までプラモデルの箱が山積みされている。お店の2代目、岩橋憲治さんは「6千~8千箱ほど商品があると思います」と語る。さまざまな種類がそろう、模型の「百貨店」だ。

店内

所狭しと模型が置かれている

先代がJR熊本駅の近くに店を出したのは1968(昭和43)年。米屋町に移転したのが73年のことだ。岩橋さんは「高度成長期で、文具業界から模型店を出店する人が多かったようです」と語る。この辺りから泰平橋にかけては、旅館や小さな医院が多かったそうだが、今はマンションが目立つ。

岩橋さんが継いだのは2001年。当時は戦車や飛行機など、軍事系の模型が圧倒的に多かった。その後、ミニ四駆がはやった。

よりマニアックな商品を 県外の問屋と情報交換

最近は、自分で組み立てる人形模型(フィギュア)を求める客が目立つという。70年代のアイドル、麻丘めぐみそっくりの人形模型は引く手あまた。パッケージには緑色のワンピース姿のイラストが描かれている。愛好家は髪の毛や口紅、洋服を自分の好みの色に塗って仕上げるそうだ。ただ、「口紅は赤色で」といっても、ブライトレッド、イタリアンレッド、モンザレッドなどさまざま。塗料だけでも一棚にぎっしり並んでいる。

フィギュアや戦艦もよりマニアックに

最近は、マニアがよりマニア化している。戦艦といっても、大和や武蔵だけではなく、イギリスの空母、イタリアの巡洋艦と、より知られていない商品を買い求める客が増えている。メーカーの大半は静岡で、岩橋さんは問屋と頻繁に情報交換しているという。

戦艦大和

戦艦大和は人目をひく

ロボットを自分のお気に入りに改造したい顧客も多く、目や腕といった部品の〝ばら売り〟まである。工具も豊富で、プラモデルを切り取るニッパだけで何種類もある。

今では子供より大人が夢中

熊本城の模型

熊本地震の後、熊本城の模型が人気だ

昔は大人が子供に連れて来られた。「これば買うて(これを買って)」と駄々をこねる子供が多かったそうだ。最近は状況が一変。「お父さんが子供を連れてきても、子供は興味なさそうなケースが多い。お父さんは楽しんでいますけどね」と岩橋さん。

高齢者向けのプレゼントとして戦車の模型などを、子供や孫が買っていくことも多い。

岩橋さんは、世の中の動向に敏感だ。相鉄線(横浜を走る私鉄)のプラモデルを探していると、「相鉄は最近、首都圏に乗り入れましたからね。今はまだないが、きっとこれから模型が出て、人気も出ますよ」と教えてくれた。

車の模型コーナー

車の模型コーナー

なのだが、実は自分はとても不器用で、模型製作は苦手だ。そう伝えると「最近は、不器用な方が多いせいか、完成品を売るケースも多いんですよ」と教えてくれた。

そうか、ならばと大学生時代にいすゞ自動車の「ジェミニ」の中古車に乗っていたことを思い出し、「ありますかね」と聞いた。「黄色のセダンで、ヘッドライトは四角でした」と畳みかけると「うーん、あれはないなあ。いつか売り出されたら連絡しますよ」と約束してくれた。うれしかった。青春時代に戻ったような気がした。

「気に入った商品を見つけた時のお客さんの笑顔が好きです」と岩橋さん。模型店には今と未来と昔の夢がある。

マルエス商事

住所 熊本市中央区米屋町2丁目19

アクセス JR熊本駅から熊本市電で3分、「呉服町」電停で下車、徒歩2分
営業時間 10時~19時
定休日 なし
電話 096-352-4346

※情報は2020年3月13日時点です。

CATEGORIES
TAGS