SNSで素性分からぬ人と「友だち」に 警戒心薄い子ども…親は目を離さないで

SNSで素性分からぬ人と「友だち」に 警戒心薄い子ども…親は目を離さないで

スマホの向こう側

SNS(会員制交流サイト)によって、見ず知らずの人同士が「つながる」ことが当たり前になりました。スマートフォンを頻繁に利用する子どもにとって、犯罪に巻き込まれる危険性と常に隣り合わせといっても過言ではありません。

スマホ熊本日日新聞教育面に「スマホの向こう側」を連載している熊本市教育委員会総合支援課の指導主事、田中慎一朗さん(45)は、「子どもが安心してインターネット世界を一人で歩いて行けるまで、親は目を離さないでいてほしい」とアドバイスします。

熊本市教委総合支援課指導主事の田中慎一朗さん=熊本市中央区

※この記事は2019年2月28日付掲載の「スマホの向こう側」を一部加筆・修正したものです。

若者の命が奪われるケースも

学校の廊下

学校の廊下

「あんた、はぐれたら私見つけきらんけんね」。熊本市の繁華街にある通町筋の横断歩道で、信号待ちをしていた女性が、6歳くらいの娘をしかっているのを見たことがあります。その際、女性はスマートフォンの画面に目を落とし、周囲に気を配る様子はありませんでした。私は信号が変わるまでこの子から目が離せませんでした。

インターネットは友だちづくりのツールでもあります。しかし、そこには危険も潜みます。SNSを通じて尊い若者の命が奪われた神奈川県座間市の連続殺人事件は衝撃的でした。さらに2019年2月、SNSを介した出会いが東京の女子大生の命を奪った事件が発覚しました。

突然、知らないアカウントで「友だち」申請が

スマホ
周りが目を離さないことで、被害から守ることもできます。その一例を紹介しましょう。ミサキ(仮名)は高校1年生になったのを機にスマホが自由に使えるようになりました。ツイッターに好きなアイドルグループのアカウントを作って毎日つぶやくうちに、フォロワーとして次第に同じファンが集まってきました。

ミサキはファンでつくるLINEグループにも参加しました。そのうち知らないアカウントから友だち申請がくるようになったそうです。最初は無視をしましたが、その相手から「追加しました。仲良くしましょう!」と一方的に“友だち”にされてしまいました。

相手信用する娘を注意「絶対に会ったらだめ」

学校の階段

学校の階段

ミサキは、その相手とのネット上の会話で好きなアーティストのことで盛り上がりました。次第に「純粋に自分とこんな話がしたかったんだ」と、相手を信用するようになっていきました。そんなある日、「福岡であるライブに行く? もし行くなら直接会ってみたいな~」とメッセージが来ました。ミサキは「会いましょう!」と返信しました。

その夜、ミサキは母親にこのやりとりを話しました。母親は真剣な顔で「相手の顔を知ってるの、どこの人なの、何歳」と問いただすと、ミサキは言葉が詰まってしまいました。「絶対に会ったらだめ」。母親の言葉を守り、その日以降、その相手とのLINEのやりとりをやめたそうです。

横断歩道渡れぬ子どもと一緒

ミサキが母親に話さなかったらどうなっていたのでしょうか。母が無関心で許可をしたらどうなっていたでしょうか。ポイントが二つあります。子どもが話してみようと思う親子関係がそこにあるかどうか。そして、親が目を離さないでいるかどうか。スマホを持ち始めた子どもは、まだ一人では横断歩道を渡れない子どもと同じです。安心してインターネット世界を一人で歩いて行けるまで、親は目を離さないでいてほしいと願います。

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