店主も店内も超個性的! 「下町の自転車屋」河島サイクル こだわりの対面販売

店主も店内も超個性的! 「下町の自転車屋」河島サイクル こだわりの対面販売

ぶらり新町・古町

熊本市の新町・古町をぶらぶらと歩く。知人に教えてもらった藤崎台隧道(通称・段山トンネル)近くのユニークな自転車屋さんを訪ねた。

とことんコミュニケーション、顧客ニーズを把握

河島サイクルの河島幸典さん。「営業時間は朝9時頃から日没まで、仕事が一段落するまで」=熊本市中央区新町

「下町の自転車店&ホームジム&猫」。河島サイクル(熊本市中央区新町)のご主人、河島幸典さん(63)の名刺はとてもユニークだ。店を訪ねると、河島さんは名刺以上にユニークなキャラクターだった。

「スーパー対面販売の店です」と河島さんが自己紹介した。何だろう。どんな店なのだろう? 試しに、自分をお客さんと想定して、自転車を選んでくださいとお願いしてみた。

河島さん 自転車を何に使うつもりですか?

筆者 通勤と買い物ですね

河島さん 1日の距離はどのくらいですか?

筆者 片道歩いて30分の往復ですかね

河島さん 坂道有りますか?

筆者 平たんな道だけです

「そうすると、これですかね」と、5万9800円の自転車を紹介してくれた。いわゆるママチャリのちょっとかっこいいタイプだ。ライトは自動で点灯。チェーンではなく、ベルトドライブなので壊れにくい。確かに自分のニーズに合っている。「スーパー対面販売」とは、顧客のニーズをしっかりと理解するための、こだわりの対面販売という意味のようだ。

猫がうろうろ なぜか鉄棒やバーベルも

猫をこよなく愛す河島さん

店内で、河島さんと話しているさなか、人気のママチャリやロードバイクの近くや自分の足元を猫がうろうろしたり走り回ったりしていた。自転車のかごの中でのんびりしている三毛猫もいる。あまり見たことのない面白い光景だ。「マトイ」(雌)はキジ色、「コゴロウ」(雄)は茶と白、「コマチ」(雌)はまだら茶…。動物好きが高じて、室内で飼育する猫が増え、それぞれ名前を付けている。

お店の奥を見ると、鉄棒やバーベルが置かれている。河島さんが懸垂を始めた。軽々と体を起こす。身長160センチ、体重52キロ、体脂肪率12%。腹筋が割れているそうだ。毎日、トレーニングとして100回以上の懸垂をしているらしい。

懸垂を披露してくれた

ベンチプレスは90キロ程度。「130キロをこなした時期もあった」そうだ。

「親子代々のお客さんは嬉しい」

お客さんから修理の依頼。部品をチェックする

お店にお客さんがやってきた。「子どもの自転車なんだけど、タイヤに空気が入らなくて。子どもが中1の時に買ったけど、今は高3になりました」とお客さん。河島さんがすぐさまチェック。「後ろのタイヤは溝がなくなっているので交換ですね。全体的に点検もします。1万円かかりませんよ」と答えると、お客さんは「後で取りに来ます」と笑顔で去って行った。

河島さんは「いい自転車だから長持ちしますよ」と満足そう。親子代々のお客さんだと、特に気分がいい。

自転車組立整備士だけあって、自転車のことは隅々分かっている。実は人間の体のこともくわしい。人は体型や筋肉の付き方で、鍛え方を変えた方がいいという。毎日通うジムでは、ベンチプレスのやり方などを教えてもらおうと河島さんを慕ってくる人がたくさんいる。「自称弟子」という女性は「的確な指導が素晴らしい」と〝ジムの名物おじさん〟を絶賛する。

熊本地震で店舗全壊…悩んだ末に新築再開

自転車を組み立てる

2016年の熊本地震では店舗が全壊し、店を続けるか悩んだ。大型販売店や中国製自転車の攻勢もある。町の自転車屋さんは減るばかりだ。しかし「販売した自転車と顧客を大切にする店をなくさないでほしい」という熱い要望もあり、店を新築。続けることにした。

川島サイクルの新築再開を伝える2017年5月16日付熊本日日新聞朝刊

地震の影響で道路があちこちで波打ってしまい、その後にパンクが増えるなど修理の依頼が相次ぎ、やりがいを再確認した。

「自転車は、ぜひ近くのかかりつけ自転車店で買ってください。故障や修理でも全面的にお付き合いさせていただきます」と河島さん。町の自転車屋さんとして地域に貢献したいという思いが強い。

店舗情報

住所 熊本市中央区新町3-2-7

アクセス 熊本市電「蔚山町」電停より徒歩1分
営業時間 朝9時頃から日没まで
仕事が一段落するまで(日曜、祝日は早めに閉店)
定休日 不定休
電話 096-353-0715

※情報は2020年6月6日時点です。

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