眺め最高、青い海と山の緑 歩いて楽しむ芦北町でフットパス

眺め最高、青い海と山の緑 歩いて楽しむ芦北町でフットパス

日帰りバス・鉄旅

上田浦駅から写真奥の水俣方面に向かって出発する肥薩おれんじ鉄道の列車=熊本県芦北町

「不要不急」「外出自粛」という言葉が頭をかすめたものの、こんな時こそ外出も思うようにできない読者に、せめて記事を読んで旅行気分を味わってもらいたいと出掛けました。(熊本日日新聞社嘱託論説委員兼編集委員・津留三郎)

しおり

ちず

※2020年5月1日付熊日夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点です。

肥薩おれんじ鉄道で上田浦駅へ 御立岬公園まで約8キロのコース

上田浦から御立岬に向かうフットパスコース

目的地は熊本県芦北町のフットパスコース。緊急事態宣言が全国に出される前でしたが、乗り込んだJRの列車は十分すぎるほどの社会的距離をとっても乗客全員が座ることができました。普段なら通勤や通学の人たちでにぎわっているに違いありませんが、車内はしーんと静まり返り何となく緊張感も漂っています。

八代駅で肥薩おれんじ鉄道に乗り換えて、上田浦駅で降ります。ここから御立岬(おたちみさき)公園までの約8キロがフットパスコースとなっています。以前この欄で紹介しましたが、フットパスとは歩行者用の小道の意味で、農村や街並みなどその地域のありのままの風景を歩いて楽しむというもの。今回のコースは、2017年にあった第1回フットパスコンテストでグランプリを獲得しています。

波穏やか 八代海沿いの細い道を歩く

すぐ下に八代海が迫っている道を進む

駅を出発。以前、芦北支局に勤務していて土地勘はあるので、歩きながら何かおかしいと感じていました。そこへ、この日の昼に会う約束をしていた御立岬の近くに住む知人から、フットパスコースを反対方向から歩いてきたが姿が見えない、どこにいるのかとの電話。やはり道を間違えていたのです。駅に戻り合流、途中まで一緒に歩いてくれるといいます。

肥薩おれんじ鉄道の線路に沿った細い道を歩きました。道は八代海沿いにもなっていて、青々と広がる波穏やかな海の向こうに天草諸島がくっきり見えます。快晴の上に、暑くもなく寒くもなく気持ちいい。海原を進む白い船がまぶしく光っています。

波穏やかな八代海を進んでいく船。対岸には天草が見える

安産の神様・矢具神社に神秘的な大木

出し芽の楠

安産の神様として知られる矢具神社にそびえる「出し芽の楠」

沿道にはいくつかの集落があり、安産の神様として参拝する人が多い矢具神社の横も通ります。数本の大木が神社の石垣から海の方に向かって斜めに伸びていて、なかなか神秘的な光景です。そのうちの一つが町指定天然記念物で、「出(だ)し芽(め)の楠(くす)」と呼ばれています。車でここまで来ていた知人とはいったん別れました。

しばらく進むと、コースは海や線路と分かれて上り坂となり、山道に変わっていきます。緑の木々の中を歩くのもまた気持ちいい。かなり上ったのでしょう、時折視界が開けると、さっきまですぐ近くにあった海を高い場所から見下ろすことができました。

海沿いを離れて高い場所から望む八代海と肥薩おれんじ鉄道の線路

2時間ほど歩いて御立岬公園に到着しました。時節柄か、やはり閑散としています。本来ならここの温泉センターで汗を流すところだったのですが、この日から休業(2020年5月18日から再開)。幸いにもほとんど汗をかくこともありませんでした。

流れに任せて予定変更 日帰り旅のいいところ

肥薩おれんじ鉄道のくまモン列車

車で迎えに来た知人と合流。一緒に刺し身や総菜を買って知人宅で昼食となりました。

そこに途中から別の知人も加わり、話が盛り上がっているうちについつい長居してしまいました。田浦の街中を時間をかけて歩いて回るつもりでしたがコースを短縮、帰りの列車も予定より遅くなりました。しかし、久々の再会には代えられません。流れに任せてこんな変更ができるのも、のんびり日帰り旅のいいところです。

旅で立ち寄ったスポット

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