釣り、道具でもっと楽しくなる 熊日記者が「革新もたらした」グッズ紹介<前編>

釣り、道具でもっと楽しくなる 熊日記者が「革新もたらした」グッズ紹介<前編>

「もっとたくさん釣りたい」「もっと大物を」「もっと快適に」-。釣り人の飽くなき欲求に応えようと、毎年たくさんの新しい道具が釣り具メーカーなどによって生み出されています。釣りの世界に革新をもたらすとともに爆発的に普及し、今ではすっかり定番となった道具を、ルアーフィッシングの分野を中心に、2回に渡って紹介します。前編では釣り糸やリールを取り上げます。(熊本日日新聞社東京支社編集部 久間孝志)

※2020年6月5、11日付熊日朝刊「革新から定番へ 楽しみを広げた道具」を再構成しました。

ルアーフィッシング流行の立役者 「PEライン」

PEライン

ポリエチレン素材の原糸を複数編み込んで作られているPEライン

釣りの一大ジャンルになったルアーフィッシング。その立役者の一つがPEラインだろう。PEラインが存在しなければ、タイラバエギングジギングは普及していなかったと言っていい。

釣り糸には、主にナイロンとフロロカーボン、PEの3種類がある。ナイロンとフロロカーボンが1本の糸であるのに対し、PEは極細のポリエチレン素材の原糸を複数編み込んで作られている。最大の特徴は、引っ張っても伸びないこと。伸びが少なければ、アタリが敏感に手元に伝わる。

PEは他の2種に比べて引っ張っても切れにくいため、より細いものを使うことができる。糸が細いと水中で受ける水の抵抗が小さくなり、釣りやすさは格段に向上する。

かつてジギングは一部のファンがナイロンなどで楽しんでいたが、PEの登場によって激変。繊細な釣り方が可能になった上、より深い場所を簡単に攻められるようになり一気に広まった。

ただ、摩擦に弱いのが弱点。岩や魚の歯にこすれると切れやすいため、ルアーは直結せずにフロロカーボンなどのリーダーを使う。

ジギング界に変革 希少金属タングステン使った「メタルジグ」

タングステンジグにヒットしたネリゴ(カンパチの幼魚)

タングステンジグにヒットしたネリゴ(カンパチの幼魚)=熊本県天草市

ここ数年でジギング界に新たな変革をもたらしたのが、希少な金属タングステンを使ったメタルジグだ。

タングステンは鉛より重くてジグを小さくできることから、ジギングでは素早く沈んで深場を探りやすく、ショアジギングでは飛距離が増す。対象魚が、小さな魚を追っている時などに効果を発揮する。

タングステンジグ

鉛より重くてコンパクトなタングステンジグ

最近は、細いPEラインとタングステンジグを使う「スーパーライトジギング」も手軽さで人気。イサキなど鉛のジグでは釣れなかった魚も狙えるようになった。タイラバの派生で、タングステンジグでマダイを狙う釣りも熊本県内で流行中だ。

PEラインとタングステンジグは、従来のラインやジグに比べて驚くほど高価。それでも広く普及したのは、値段以上の釣果と楽しさが手に入るからだ。

LEDにリチウムイオン電池 ノーベル賞の技術も活用

LEDライト

夜釣りで活躍するLEDライト

科学技術の進歩は、釣り具にも進化をもたらした。その中には、日本人科学者が手にしたノーベル賞に関するものもある。発光ダイオード(LED)とリチウムイオン電池だ。

青色LEDは赤崎勇・名城大終身教授ら日本人3人が開発し、2014年にノーベル物理学賞を受賞した。2009年ごろから一般家庭に普及し始めたLED照明は生活に欠かせないものとなり、すぐに夜釣りに取り入れられた。

夜釣りでは両手をフリーにしておくためにライトを頭に装着することが多いが、コンパクトなLEDライトの登場で釣りの邪魔にならなくなった。明るいだけではなく、省電力で電池交換が少なくて済み、電球が切れにくいことからトラブルの心配も減った。

一方、2019年ノーベル化学賞を受賞した、吉野彰・旭化成名誉フェローが開発に貢献したリチウムイオン電池は、電動リールのバッテリーとして商品化されている。

メリットは、従来の鉛バッテリーより小さくて軽く、パワーがあること。電動リールに直結できるタイプもあり、釣り人を接続コードの煩わしさから解放してくれる。今はまだ安価な鉛バッテリーが主流だが、さらに普及していくのは間違いない。

水中の様子を細かく把握 「偏光サングラス」

シーバス

ルアーを追ってきた魚影を確認し、アクションに変化を加えてキャッチしたシーバス。偏光サングラスをかけているからこそ魚影に気付くことができる=八代海

目を守るサングラスも進化。特殊なスクリーンをレンズに挟み込むことで水面の反射光をカットし、水中を格段に見やすくする「偏光サングラス」がルアーフィッシングを中心に定着した。

水中がよく見えると言っても、狙う魚を見つけることが主な目的ではない。底が砂地なのか、岩場なのか。海藻は生えているか。対象魚の餌となる小魚はいるか-。水中の様子を細かく把握することが釣果につながる。

日中のシーバス(スズキ)ゲームやエギングでは特に重宝する。水中でのルアーやエギの動きを視認できるし、手前まで追ってきたシーバスやイカを見つけた場合、アクションに変化を加えてヒットに持ち込むこともできる。

かつては専門店でしか買えなかったが、最近は一般の眼鏡店でも取り扱っている。度付きも可能で、眼鏡の上に取り付けるタイプもある。

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