ここが神社!? 細工町に不思議な空間 「白梅天満宮の細道じゃ」

ここが神社!? 細工町に不思議な空間 「白梅天満宮の細道じゃ」

ぶらり新町・古町

白梅天満宮

建物の間の狭い細道の先に白梅天満宮がある=熊本市中央区細工町

熊本市の新町・古町をぶらぶらと歩く。熊本市中央区の細工町通りに不思議な空間がある。建物の間の狭い細道を抜けた先にある白梅天満宮だ。

参道は幅50センチ 暗い建物の間を進むと…

白梅天満宮

神社の参道にはみえない。おそるおそる進む

近くに住む松田清見さん(82)が、案内役になってくれた。石畳の参道は幅が50センチほどだ。「昔から『天神様の細道じゃ』っていうやろ。こんなもんだろ」。松田さんの後を歩く。

左右の民家の間をまたぐように「白梅天満宮」という札があり、紙垂れとしめ縄が飾られている。暗い建物の間を10メートルほど進むと本殿が見えた。

熊本地震で大きな被害 境内には爪痕

2016年7月22日付熊本日日新聞朝刊

2020年5月下旬に訪れたときは、境内には熊本地震で壊れた鳥居や楼門の瓦が倒れたままになっていた。

「熊本地震でいろいろと壊れてしまった」と松田さん。鳥居があり、残された台座の上には狛犬が鎮座していたが、倒れた。かつては灯籠の近くに3メートルほどの高さの梅の木があった。

本殿の脇を進むと、ご神体をまつる祠(ほこら)があった。松田さんが扉を開けるとご神体が入っている箱と右側に石仏らしきものがあった。「神仏混合の時代もあったからなあ。まあ、みんな一緒や」と松田さん。

白梅天満宮

ご神体がまつられている祠

境内で隠れんぼや鬼ごっこ

白梅天満宮

白梅天満宮の境内。熊本地震で壊れた鳥居や楼門の瓦が倒れたままになっていた=2020年5月下旬撮影

松田さんは子どもの頃境内でよく遊んだ。小学校低学年までの小さな子どもたちが集まった。隠れんぼ、鬼ごっこ。子どもたちの声が響いた。

近くの五福小学校の創立百年を記念して出された本(五福百年)によると、昭和16年に火事があり、拝殿や神殿が焼失した。昭和39年に建て直した。

松田さんは「火事の前は簡素な神殿があって、そこで飛んで跳ねたなあ。楽しかった」と語った。

五福百年によると、例祭が1664年から催されているという。最近は地元の青年団が神社を管理。11月の例祭には北岡神社から宮司を招く。ダイコンに唐辛子をたっぷり入れた「風神大根」を振る舞う。

松田さんは「昔々、病がはやったときに、ある高僧が指南してくれた料理らしい。辛いものを食べて体を温めたのだと思う」と話した。

鳥居を再建「地元に生きた証し残したい」

後日訪れると立派な鳥居が構えていた=2020年8月18日撮影

「遊び仲間は、もうみんな死んじゃったなあ。自分も、根拠のない自信だけで生きているようなもんだ。もうすぐ死ぬけん。地元に生きた証しとして何か残したい」と松田さん。

後日神社にお参りに行くと、立派な鳥居が構えていた。松田さんが再建をお手伝いしたという。松田さんは「子供のころうっすらと覚えている石造りの鳥居と同じようなものができた。熊本地震で木の鳥居が倒壊してから、どうにかしないといけないと思っていた」と話した。

松田さんは鳥居の近くに座り、町の歴史と人生を振り返った。マンションや民家に囲まれた小さな空が地面に座るとやけに大きく、青く見えた。

白梅天満宮の地図

※情報は2020年8月21日時点です。

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