熊本平野の豊富な水源、自転車で巡る 冷たい湧き水、ありがたさ染みる

熊本平野の豊富な水源、自転車で巡る 冷たい湧き水、ありがたさ染みる

ゆるっとチャリ旅

自転車でゆっくりペースで熊本市近郊などを走り、立ち寄りスポットを紹介するシリーズ「ゆるっとチャリ旅」。

暦の上では秋でも、まだまだ暑い日が続きます。冷たい湧き水を求めて、熊本平野の水源を巡りました。(熊本日日新聞社読者・新聞学習センター 鹿本成人)

ちず

赤い線が今回の走行ルート。番号で表示しているのが、写真入りで紹介する立ち寄りスポット(各写真の説明文に番号)

※2020年8月14日付熊本日日新聞夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点のものです。

益城町の潮井水源をスタート 神社には熊本地震の爪痕

潮井神社と潮井水源

①潮井神社と潮井水源。水源からたくさんの水が流れ出ていた=益城町

スタート地点には、益城町の潮井水源を選びました。ところが水源に近づくまでが一苦労。熊本地震で壊れた近くの県道はすっかり復旧していましたが、水源のある杉堂地区の生活道路は、今も工事が続いています。大きく回り道する必要がある上に、未舗装路を進まなければなりません。水源の横にある潮井神社の参道も、崩れたままです。

痛々しい姿に心が痛みましたが、豊富な湧き水に手を浸すと、ひんやりして気持ち良い。地震後、湧き水は一時期枯れかけましたが、町の人たちの努力で復活したといいます。神社に向かってそっと手を合わせ、地区の復興を願いました。

“空に浮かぶ神社” 嘉島町の浮島神社

②水田にたたずむサギ。道中、いたるところでサギを見かけた=嘉島町

スタート後は県道28号で西へ。益城町中心部で南へ折れ、秋津川を渡って水田の中を再び西へ進みました。田をわたる風はさわやかですが、日差しは強い。風に揺れるイネや野鳥を眺めながら、一心にペダルを回しました。

次に立ち寄ったのは、自転車愛好家の間で人気のある浮島神社(嘉島町)。晴れわたった夏空と青空を映した水面の間に、神社がぽっかり浮かんでいます。“浮島”というより、“空に浮かぶ神社”のようです。冷たい湧き水をたたえた池のおかげか、周囲の木陰はひんやりして心地よい。近くの高齢者が集まり、談笑していました。

③嘉島町の浮島神社。青い空と池に挟まれて、宙に浮いているようにも見えた=嘉島町

最後は宇土市の轟水源 子どもたちの歓声響く

神社で自転車用のお守りを受けてサドルに結び、最後の目的地、轟水源(宇土市)へ向けて再スタート。

この先も、しばらく水田地帯を走りました。変わらない風景に飽きてきたので、途中から緑川の堤防上へ。軽い向かい風を受けながら西へ進みます。国道501号を左折して、宇土市の市街地方面へ。轟水源は、もうすぐです。

住宅街に入ってしばらくすると、子どもたちの歓声が聞こえてきました。轟水源の池ではしゃぐ子どもたちは元気いっぱい。暑い中、記者も冷たい水に飛び込みたい衝動にかられました。ぐっとこらえて顔を洗うと、太陽にさらされて熱くなった肌に、冷たい水が心地よい。

轟水源

④轟水源の湧き水。手を浸すと冷たく気持ち良かった=宇土市

池の横の看板によると、約350年前に水源から約3キロ離れた宇土市中心部まで水道が引かれ、改修しながら現在も使われているといいます。なんともぜいたくな水道に思えます。

炎天下を走った今回のチャリ旅。暑さは少々こたえましたが、水源はまさに「オアシス」。湧き水のありがたさと冷たさが、あらためて身に染みました。

【お気に入りの1枚】澄み切った青い世界

轟水源の池の中は、澄み切った青い世界でした。水中撮影のために手を浸していると、しびれてくるほど冷たく鮮烈な水。暑くてつらい夏のサイクリングも、こんな楽しみがあるからやめられません。

走行ルートと立ち寄りスポット

【走行MEMO】
走行距離 35キロ
走行時間 2時間5分
平均時速 17キロ
高低差  88メートル
所要時間 3時間5分
(サイクルコンピューターなどによる)

【サイクリング楽しむためのプチ助言】 必ず施錠を 2重ロックで安心感

自転車付属の錠とワイヤー錠で2重ロックにすることもできる

自転車に乗る場合、必ず心がけたいのが施錠。現在では、2重ロックが一般に広まりつつあります。

シティーサイクルなどの一般車で錠が一つしか装備されていない場合には、もう一つ携帯用の錠を準備して、2重ロックにすると安心感が増します。スポーツタイプの自転車は元々、錠が付いていない場合が多いので、新しく購入する際はしっかり確認しましょう。

錠は一つあれば十分では? と思われるかもしれません。ですが盗む側からすると、錠を壊そうとする時、錠の数だけ時間がかかることになります。盗む側にとっては、時間がかかると発覚するリスクが高まります。ですから2重ロックは、盗難されにくい自転車、つまり「自分の大切な自転車を守る」ことにつながります。

携帯用の自転車錠は、さまざまな種類のものが販売されています。セキュリティー性能が高く、自分の状況に合って使いやすいものを準備すると、快適に自転車に乗ることにもつながります。(熊本県サイクリング協会・平川智美)

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