フランス語得意な「古町小町」 瑠璃さん、着物姿で地元盛り上げ

フランス語得意な「古町小町」 瑠璃さん、着物姿で地元盛り上げ

ぶらり新町・古町

熊本市の新町・古町をぶらぶらと歩く。古町の人気者、瑠璃(るり)さんは着物姿で徳永酒店(熊本市西区春日)のカウンター越しにいた。「古町小町」と呼ばれる笑顔を振りまく。町を活性化させようと、ふんどしの販売まで手掛けるバイタリティーの持ち主だ。

熊本生まれ、東京育ち 東日本大震災を機に移住

古町の人気者、瑠璃さん。着物姿で日本酒をついでくれた=熊本市西区春日

熊本生まれで、東京育ち。上智大学でフランス文学を学んだ。東日本大震災(2011年)を機に、母親の実家があった熊本市に移住した。

「これからは地方の時代かなと思って。満員電車に揺られて片道1時間かけて通勤するより、だれかとおしゃべりしたり、すてきなカフェで過ごしたりするほうがいい」

和服を大事に 「こだわり」のふんどし販売

ふんどしも販売している

熊本に住んでからは、古町の居酒屋の店長を明るくこなしてきた。行動力がある瑠璃さんは「自分を受け入れてくれた町へ恩返しをしたい」と古町のイベントに何か出品できないか思案。日本の古来の下着であるふんどしの作成、販売を思いついた。「フランスに留学した時、『日本人なのに日本のことを知らない』と言われ、和服に興味を持ち始めたんです」

ふんどしは、赤色や紫色などが最近の人気だ。素材が綿100%。「肌触りや通気性が良く、ゴムのように締め付けがないので肌荒れしにくい。アレルギー体質の方には特にお勧めです」と話す。祖父のふんどしを、母が手作りしていたことが参考になった。

熊本地震(2016年)を経験し、地域の復興をさらに真剣に考えるようになった。城下町の素晴らしさを伝えるために古町のボランティアガイドを務める。「古町や新町へ、人に会い来てほしい。『観光じゃない観光』のような感じがいいかな」。古町ではバナナ専門店から、歴史ある倉庫、町屋を活用したオーガニックショップ、石橋といったお薦めの場所を案内している。

熊本弁に悪戦苦闘 役に立ったフランス語

徳永酒店

徳永酒店前で、瑠璃さんと店主

熊本に来て困惑した時があった。

まず、「東京風」を吹かせた自分を恥じた。地域になじむには、自分をさらけ出すことが必要だ。フランス語の勉強が役に立った。「ジュッタンボニ、ジャポン」。熊本弁で「水たまりに、じゃっぽん」という響きが、フランス語っぽく聞こえ、あいさつでこのフレーズを持ち出すと、みんなが笑った。一気に打ち解けることが多くなった。

トークにしゃれが効いていて、お客さんは楽しい

「最初は熊本弁が全く分からなかった」とも振り返る。猛暑の日に「ばってん、のううっだす」と言われても??? “but then, know that”という意味不明の英語に聞こえた。「それにしても、脳みそが飛び出るような、ものすごい暑さ」という意味だった。

JR熊本駅そば、創業110年・徳永酒店のスタッフとして働く

徳永酒店

ふらっと寄った日は、赤の浴衣姿でビールを注いでくれた

徳永酒店には2016年から日替わりスタッフとして登場。酒の販売だけではなく、角打ちコーナーがあり、日本酒や焼酎、ワインを楽しめる。

お店の真ん中にある馬てい型のカウンターを仕切る瑠璃さんは、鮮やかな瑠璃色の着物で、お客さんと楽しそうに話す。新型コロナウイルス対策でしっかりマスクをしている。

店はJR熊本駅に近く、今後発展しそうな地域だ。地元客でにぎわうが、電車の待ち時間に、軽く立ち飲みで一杯を、という出張者にも便利だ。

徳永酒店は創業110年ほどの歴史ある店だ。市場や合同庁舎が移転してきたり、新幹線が開通したり、町の雰囲気は時代によって変わってきた。声楽家である母のマネジャー、フランス語の発音指導も手掛ける瑠璃さんは、臨機応変。これからも町とともに成長しそうだ。

徳永酒店

住所 熊本市西区春日2-3-24

アクセス JR熊本駅から徒歩1分
営業時間 17時~22時
定休日 日曜、祝日
電話 096-352-4591

※情報は2020年12月4日時点です。

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