日本遺産「赤い町並み」 岡山県高梁市の旅 「男はつらいよ」ロケ地

日本遺産「赤い町並み」 岡山県高梁市の旅 「男はつらいよ」ロケ地

日帰りバス・鉄旅

このコーナーの取材は毎回日帰り旅をしていますが、たまには泊まりがけでとプライベートで岡山県高梁(たかはし)市に出掛けました。1泊2日の特別編です。(熊本日日新聞社嘱託論説委員兼編集委員・津留三郎)

※2020年12月4日付熊日夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点です。

寅さんファンおなじみ 文化の薫り漂う

「男はつらいよ」ロケ地の記念碑=岡山県高梁市

中国山地周辺に引かれるものがあり、これまで何回か出掛けました。行き先として目に留まったのが、岡山県中西部に位置し広島県と接する高梁市。JR岡山駅から伯備線特急で35分ほどの吉備高原に位置します。雲海に浮かぶ城として有名な備中(びっちゅう)松山城の城下町。映画「男はつらいよ」ファンには寅さんの義弟博(ひろし)の実家がある地としておなじみ。第8作と第32作の2回登場しています。

備中高梁駅と直結している隣の建物は市立図書館で、蔦屋書店やスターバックスコーヒー、観光案内所などが併設されていました。おしゃれな雰囲気が、文化の薫り漂う町ということを予感させます。

城下町の風情漂う紺屋川筋美観地区。備中松山城の外堀だった川の両側を道路が走っている

武家屋敷が残る通りに向かいました。博の実家とされた家もありました。同じく映画の舞台となった紺屋川筋美観地区に回りながら、城下町の風情を味わいます。昼食は、地元の人たちが入っていった通り掛かりのお好み焼きの店に。つられて入って正解でした。大ぶりのカキが入ったお好み焼きがとてもおいしかったです。

高原に「ジャパンレッド」発祥の地 鉱山町として栄えた吹屋地区

日本遺産に認定された吹屋の「赤い町並み」

駅隣の高梁バスセンターからバスに乗り込みます。向かったのは「『ジャパンレッド』発祥の地」として、2020年に日本遺産に認定された市内の吹屋(ふきや)地区。江戸から明治にかけ鉱山の町として栄えたところです。ジャパンレッドとは、鉱山から掘り出された硫化鉄鉱を原料に生産された赤色顔料のベンガラのこと。伊万里焼や九谷焼、輪島塗などに用いられました。

「標高500メートルの高原上にこつぜんと出現する『赤い町並み』」と日本遺産で紹介されるように、終点には赤銅色の石州瓦とベンガラ色の外観で統一された家屋が並んでいました。別世界に来たような感じです。復元されたベンガラ工場も見学し、近くの宿に泊まりました。

国内唯一、天守現存の山城「備中松山城」

山城で唯一現存する備中松山城の天守

2日目。高梁バスセンターに戻り、市内循環バスに乗り換えます。運動公園前で下車し、標高約430メートルの山の頂にある備中松山城に向かいます。5合目にある観光駐車場まで歩くとシャトルバスが15分ごとに出ています。ただし8合目までで、後は急な上り坂を歩くことになります。城までトータルで歩いた時間は30~40分というところです。

日本の山城の典型とされる備中松山城。石垣が紅葉に包まれていた

城に到着。国内で唯一、天守が現存する山城で、国指定重要文化財となっています。雲海が出やすい時季ではありましたが、朝早くでないとだめなので最初から予定していませんでした。天守と紅葉、石垣と紅葉の組み合わせもなかなかよかったです。お目当ての一つは、広場にいるネコ城主「さんじゅーろー」。嫌がりもせずなでられたり写真を撮られたりしていました。

入場者を出迎える(?)ネコ城主の「さんじゅーろー」

竹下景子さんのシーン思い出す 薬師院の石段

「男はつらいよ」で寅さんとマドンナ(竹下景子さん)の出会いのシーンが撮影された薬師院の石段

バスで5合目に着いた後は、市街地まで歩いて戻りました。「男はつらいよ」第32作のロケがあった薬師院は、備中高梁駅から歩いて約10分。石段を上って見下ろすと、竹下景子さんのマドンナが父親と上ってくるシーンが目に浮かんできました。

岡山市では高校の修学旅行以来45年ぶりに日本三名園の一つ後楽園を訪ねて、いつもの趣味のような仕事の旅ではない、仕事のような趣味の旅を終えました。

旅で立ち寄ったスポット

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