熊本のスナックめぐり 西銀座通り「judan.」編 「仕事を理解してくれるお客に、胸がキュン」

ママさんぽ~熊本のスナックめぐり

熊本市のネオン街にあるスナックのママさんたちが、月替わりで、夜の街のエピソードを語る、大好評の熊日連載「ママさんぽ~熊本のスナックめぐり」(毎週金曜夕刊「街・まち」面)。

「cross kumamoto」では、各月分を1回にまとめ、未掲載の写真や、お店に関する情報、熊日紙面に登場したことへのママさんの感想などをプラスしてお届けします。

今回は2018年4月に掲載した西銀座通り「judan.」(ジュダン) の長屋ひかりさん(33)の「ママ語り」です。

〈第1話〉水商売未経験 20歳でスナックのママに 「一番大事なのはスタッフ」

20歳の時、母の経営するスナックでママを任されることになりました。それまではOLで、水商売は未経験。全てに自信がなくて「どうしよう」とばかり思っていました。

ある夜、70代ぐらいのお客さまがふらっと入ってこられました。その方に悩みを話すと、「じゃあ、あなたが会社の経営者だとするよ。お客さま、株主、従業員の三つを大事な順に並べてごらん」と言われました。私すぐ「1番は従業員」って言ったんです。私みたいなのについてきてくれる女の子たちが一番大事だと思って。

2番目がお客さま、3番目が株主って答えたら、「正解はないんだ。でも今まで見てきて、成功した人はみんな君と同じ答えだったよ」って。それを大事にしていけば道は開けると教えられました。

あの方とお会いしてなかったら今の私はないかもしれません。今でも店の女の子たちが私には一番大事です。(2018年4月6日掲載)

〈第2話〉「年下の男とは付き合うな」「お金のことばかり考えると、心の豊かさがなくなる」 お客の「ためになる話」を目の前でメモ

水商売の仕事を始めた当時は、私より年齢層の高いお客さまばかりですから、諭されたり教えていただいたりすることがよくありました。「人生とは」「お金とは」って、面白かったですよ。お客さまに言われたことを目の前でメモして、後でパソコンでまとめたりしていました。

そのメモは今でも持っています。字、めちゃくちゃ汚いんですけど。「お金のことばかり考えていると、ガツガツしてしまい、すりきれて(心の)豊かさがなくなる」とか、びっしり書いてあります。「商売するなら歯は大事」「年下の男とは付き合うな」「神棚をつくり毎日拝む」というのもありますね。10年後にしたいこととかも。真剣でしたね。

以前、OLをしていた時は、やれと言われたことをやるだけ。考えないし、気も使わなかった。スナックのママとして人相手の商売をするようになり、こうすればお客さまに喜ばれるんだとか考えるのが面白いと思うようになりました。(2018年4月13日掲載)

〈第3話〉25歳で独立、オープン10日後に東日本大震災 毎年「3.11」の売り上げは義援金に

「judan.」店内、カウンターのサクラ

母が経営する店で雇われママを務めた後、25歳で独立して自分の店を持ちました。オープンが東日本大震災の10日前。自粛ムードになったんですけど、最初は自分のことしか考えてませんでした。でも、震災で亡くなった女の子がお父さんに最期のメールを送っていたっていう話を知って、「他人事とは思わんでおこう」と思ったんです。

それ以降、うちは毎年3月11日の売り上げは全部(東日本への)義援金にするって決めています。日払いの給料をそのまま寄付したスタッフの女の子もいるんですよ。毎年私の誕生日に女の子たちが旅行をプレゼントしてくれるんですけど、その旅行で一度、石巻に義援金を持って行きました。

ところがうっかりしてて、行ったら土曜日で市役所が閉まっていたんですよ。それで幼稚園や保育園を回って、子どもたちのためにとお渡ししました。2年前の熊本地震の時には、東北の方たちが気遣ってくださいました。(2018年4月20日掲載)

〈最終話〉「すてきなお客さま」とは、ホステスの仕事を理解し、尊重してくれる方

「印象に残るすてきなお客さま」ですか? そうですね…、私たちホステスの仕事を理解し尊重してくださるお客さまは、本当にすてきだなと思います。

私が20代の頃、よくお店に来てくださる方がいました。一日に2回もほかのお客さんを連れて来るなど、応援してくださる方でした。ある時その方と「同伴出勤しようか」という話になり、出勤前に一緒にキャバクラに行ったんです。

行き慣れない場所だし、きらびやかで、ああー楽しいって思いました。もっといたかったんですけど、そのお客さまに「だめだめ、ママなんだから一番最初に店に入らないと。お客さんより後に入ったりしたらよくないよ」って言われて、私、走ってお店に行ったんです。

普通のお客さまなら「まだ一緒に飲もうよ」って言うじゃないですか。でもその方は私の仕事を尊重してくれているのが分かったから、うれしくって。思わずキュンときてしまいました。(2018年4月27日掲載)

ひかりママへインタビュー

長屋ひかりママに、熊日紙面に登場した反響などを聞きました。(2018年12月5日)

――熊日の夕刊で4回にわたって思い出話やエピソードを披露していただきました。反響はありましたか?

ひかりママ 反響ありましたよぉ。会社で熊日の夕刊を読んだお客さまが、記事を撮影してLINEで送ってくれて「面白かったよ」と。新聞を読んで初めて来店された方もいらっしゃいました。東日本大震災の被災地支援に共感していただいた方も多かったです。中には「何も考えていないように見えるけど、いろいろと考えているんだね」という常連のお客さんも。失礼ですよね(笑)。それと、私も登録していますが、「熊日LINEニュース」でも紹介していただいたことで、知り合いの女性たちから「LINEニュース読んだよ」と連絡をもらいました。

――店名「judan.」の由来を教えてください。

ひかりママ 最初にオープンしたのは近くにある姉妹店で、「お客さまが和(なご)める場所に」という思いから「和壇」と。母の名前(和子)を使いたいとの気持ちも強かったのですが、父が「俺の名前は?」とすねちゃって(笑い)。「それじゃ」と、2店目は父の名前(淳一)から「judan.」に。最後に「.(ドット)」を入れたのは、縁起が良いとされる画数にするためです。

――二つのお店はどんな雰囲気ですか?

ひかりママ お客様が入りやすく、リラックスできる、明るく楽しい雰囲気を心掛けています。お客様はみんな、スタッフと気さくにおしゃべりしたり、カラオケを楽しんでいます。ぜひお越しください。

店舗情報

住所 熊本市中央区下通1丁目11-22 ピュア西銀座ビル5階

アクセス 熊本市電・花畑町電停から徒歩3分、通町筋バス停から徒歩7分
西銀座通り、ドン・キホーテ熊本中央店隣のビル
営業時間 20時~25時
定休日 日曜、祝日(月曜のみ)
電話 096-355-4177
不在の場合は近くの姉妹店「和壇」(096-352-0522)に
システム 飲み放題3500円(60分)
メモ 不在の場合は近くの姉妹店「和壇」(新市街3-8、フラッグスビル5階)へ
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