「常に向上心忘れなかった」 引退したロアッソ・巻にねぎらい 元大津高監督の平岡和徳さん

2006年サッカーW杯代表で、J3ロアッソ熊本の中心選手だったFWの巻誠一郎選手(38)=熊本県宇城市出身=が1月15日、現役引退を発表し、16年間におよぶプロ生活に終止符を打ちました。16日付と、引退会見した翌日の17日付の熊本日日新聞朝刊は、巻選手の引退を惜しむ声や、熊本地震での支援を含めた功績を紹介した記事をたくさん掲載しました。

J2熊本-町田戦で、ドリブルで攻め上がる巻選手=2017年9月2日、熊本市のえがお健康スタジアム

ドイツW杯でジーコ監督が代表抜てき、スタメン出場も

巻選手は1980年8月7日、熊本県宇城市小川町生まれ。小川中から大津高に進み、高校1年までアイスホッケーも続けました。駒大を経て2003年にJ1市原(現J2千葉)に入団し、身長184センチの大型FWとしてゴール前での空中戦やポストプレーなどで頭角を現しました。

2006年W杯ドイツ大会では当時の日本のジーコ監督から代表に抜てきされ、ブラジルとの1次リーグ最終戦にスタメン出場。代表では国際Aマッチ38試合で8得点しました。

W杯日本代表最終合宿で、GKの川口能活選手(左)らと笑顔で話す巻選手(中)=2006年5月19日、福島県のJヴィレッジ

高校時代から大型FWとしての素質見抜く

千葉に2010年まで在籍した後、国内外に活躍の場を求め、14年にJ2熊本に加入。「ミスターロアッソ」としてチームを5シーズン引っ張り、攻守に存在感を示しました。

恩師やチームメートは惜しむ声や感謝の言葉で、熊本の誇るスター選手をねぎらっています。

大津高サッカー部時代に監督として指導した宇城市教育長の平岡和徳さんは、巻選手の大型FWとしての素質を早くから見抜き、日本代表入りを願っていました。W杯ドイツ大会出場を果たした教え子を「代表になるにはタイミングも重要。常に向上心や謙虚さを忘れなかった彼だからこそチャンスをつかんだ」とたたえます。

熊本県高校総体サッカー男子決勝・大津-国府戦で、選手に指示を出す平岡監督=2015年6月2日、熊本市の水前寺競技場

 

宇城市小川町で開催されたサッカートークで、大津高サッカー部時代の思い出などを語る宇城市の平岡和徳教育長(右)と巻選手=2017年11月25日、同市

チームに植え付けたプロの心構え

巻選手のサッカーにかける情熱は14年に加入したロアッソ熊本にも影響をもたらしました。チーム最古参の片山奨典選手は「気持ちの浮き沈みを一切見せない。常に100パーセントの力で練習に臨むプロフェッショナル」。渋谷洋樹監督は「チームが一丸にならなければ、彼が抜けた穴は埋まらない」と引退を残念がっています。

今季の熊本はJ2から降格し、初めてのJ3に臨みます。3月10日の開幕まで2カ月足らず。片山選手は「巻さんがプロの心構えをチームに植え付けてくれた。残った全員で思いを受け継ぎ、必ず1年でJ2に戻る」と決意を示しました。

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