平成のバレンタイン商戦 「脱チョコ」「マイチョコ」「友チョコ」…国民的行事も様変わり

平成のバレンタイン商戦 「脱チョコ」「マイチョコ」「友チョコ」…国民的行事も様変わり

2019年5月から新しい元号に切り替わります。よって、クリスマスと並ぶ国民的イベントとなったバレンタインデーも、2019年が「平成最後」です。そこで、熊本日日新聞の紙面で平成の世相を振り返るシリーズ第2弾は「バレンタイン商戦」。

「本命」と「義理」の格差をつける傾向が顕著だったり、チョコレート以外の品物を送る「脱チョコ」や、自分へのご褒美とする「マイチョコ」、女友達同士で交換し合う「友チョコ」がブームとなったりするなど、様変わりしています。

「義理」と「本命」包装で格差 「見掛け重視派」も 1990(平成2)年

1990(平成2)年

上の記事は、1990(平成2)年2月1日付夕刊に掲載しています。バブル景気のさなか。出来事としては、オウム真理教が波野村(現在の阿蘇市)に道場を構えて、住民たちと対立。テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」が大流行し、主題歌「おどるポンポコリン」もヒットしました。

記事によると、贈る女性が「義理チョコ」と「本命向け」で差をつける傾向が目立ち、「大切な人へのプレゼントはオリジナルのラッピング(包装)で」という人が急増。熊本パルコは、特設フロアの一角に、ギフト用の箱や袋、包装紙などをそろえたコーナーを設け、専門の女性スタッフを常駐させて女性客の要望にこたえました。

ラッピングの予算は平均千円前後。包装紙が300―900円、箱が200―900円、袋が120―600円、リボンが1メートル30―200円といったところ。中身以上にお金をかける「見掛け重視派」も多かったようです。

贈った女性の電話のみに使うテレホンカード登場 1992(平成4)年

1992(平成4)年

1992(平成4)年は、国家公務員が完全週休2日制になったほか、バルセロナ五輪が開催された年。お茶の間では、100歳の双子「きんさん」「ぎんさん」が人気を集めました。

上の記事は2月6日付朝刊掲載。記事によると、県内の百貨店などでは、「本命」を狙う女性客をターゲットに、チョコレート以外の品ぞろえを強化したり、イベントを計画したり…。

当時、熊本市の桜町にあった百貨店、岩田屋伊勢丹は、贈った女性の電話にしか使えないテレホンカード「オートダイヤルカード」を発売。百件以上の予約があり、「ピーク時には製造が追い付かないのではないか」という担当者のうれしい悲鳴を紹介しています。

不況に弱い「義理チョコ」 単価、数量ダウン 1994(平成6)年

1994(平成6)年

「就職氷河期」という新語が流行したのが1994(平成6)年。バブル崩壊の影響が深刻化し、とりわけ就職活動をする学生・生徒たちにとって厳しいころでした。自民・社会・さきがけの「自社さ連立政権」で村山富市内閣が誕生。関西国際空港が開港した年でもあります。

上の記事は2月5日付朝刊に掲載。記事によると、消費低迷が続く中、各店とも“義理チョコ”の減少を予想し、手作りを中心とした「本命チョコ」を重視。「景気低迷の中、義理チョコ期待の男性には冷たいバレンタイン戦線になりそうだ」と締めくくっています。

ネクタイや小物…「脱チョコ」強まる 1996(平成8)年

1996(平成8)年

松山商業の「奇跡のバックホーム」で惜しくも優勝ならず。1996(平成8)年は、「夏の甲子園」全国高校野球選手権で熊本工業が準優勝した年。女子高校生による「援助交際」も問題になりました。

上の1月30日付朝刊掲載の記事では、チョコレート以外の商品を贈る若者が増え、“脱チョコ”傾向が強まっていることを紹介しています。百貨店やスーパーでは、時計やネクタイ、パジャマ、紳士小物、酒類などチョコ以外のギフトの売り込みに懸命。贈り物の平均相場はチョコと合わせて1万円以内ですが、本命の男性に対しては、チョコのプレゼントは付属品化したようです。

私だって食べたーい! 「マイチョコ」がブーム 2004(平成16)年

2004(平成16)年

「ヨン様」が登場するテレビドラマ「冬のソナタ」の大ヒットするなど「韓流ブーム」が到来したのが2004(平成16)年です。当時の首相は小泉純一郎。振り込め詐欺の被害も社会問題化しました。

「男だけに食べさせるなんて、もったいない」の書き出しで始まる上の記事は2月9日付の朝刊掲載。女性が男性にチョコレートを贈るのが慣習のバレンタインデーに、自分用の「マイチョコ」を買う女性が増えていることをリポートしています。洋菓子の高級志向がバレンタイン商戦に「飛び火」した格好で、そんな甘党の女性が目を輝かせるのが、「熊本初登場」「数量限定」などを売り文句にした「とびきりの一粒」でした。「一応、彼氏に手渡すけど、食べるのは私。じっくり選んで三千円ぐらいのを買うつもり」という25歳女性会社員の本音も紹介しています。

こだわり派、高級志向も 2009(平成21)年

2009(平成21)年

「政権交代」を掲げて衆院選で勝利を収めた民主党の政権が誕生したのが2009(平成21)年。1月26日付朝刊の記事によると、消費低迷の中でもバレンタインのギフトは堅調です。高級志向も根強く、各店の売り場では、海外を含めた高級店や、有名パティシエが手掛けるブランドを充実させていました。カカオの原産地や含有率を重視する「こだわり派」も多かったようです。

女友達同士で食べちゃえ 「友チョコ」がブームに 2012(平成24)年

2012(平成24)年

東京スカイツリーが完成した2012(平成24)年。女友達同士で交換する「友チョコ」の購入が増えました。

2月2日付朝刊掲載の記事によると、江崎グリコが10~20代の独身女性400人を対象に実施した調査では、「チョコを贈る相手」で最も多かったのは「女友達」の69・5%と、3年連続で「彼氏」や「告白したい男性」を上回わりました。

熊本県内各店の品ぞろえも、本命や自分向けで1粒数百円する超高級品と、「義理チョコ」用の低価格品の二極化が顕著。花き業界が「新しいバレンタイン」として、男性から女性に花を贈ることを提案するようになったのもこの頃です。

「インスタ映え」の商品を強化 2017(平成29)年

上は、2017(平成29)年2月1日付朝刊に掲載された記事。福岡支社の記者が、福岡市のバレンタイン商戦を紹介しています。百貨店では、「インスタグラム」など会員制交流サイト(SNS)への投稿を意識した写真映えする商品を強化。「見た目がサラミソーセージ」「口の中でパチパチはじける」といったSNSで誰かに伝えたくなるようなチョコを売り出しています。

味を見てから品定め 「イートイン」コーナー 2019(平成31)年

最後は、「平成最後の」バレンタイン商戦の紹介(2019年2月5日付朝刊掲載)。買う前に味見ができる店も増えるなど、近年は「贈る」だけでなく「楽しむ」イベントとして定着。各店は女性たちに楽しんでもらおうと工夫を凝らしています。

鶴屋百貨店は若手社員の提案で、イートインコーナー「ショコラカフェ」を初めて開設。55種類のチョコを1粒単位で販売しており、「いろいろなチョコをたくさん食べてみたい」というお客に好評だそうです。「おしゃれな空間でチョコを食べられて幸せ。味を確かめてからプレゼントできるのもいいですね」という女性会社員の話も紹介しています。

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