熊本駅の新駅舎が完成 今後3年で駅前広場やJRの大型商業ビルも 「県都の玄関口」整備計画まとめ

熊本駅の新駅舎が完成 今後3年で駅前広場やJRの大型商業ビルも 「県都の玄関口」整備計画まとめ

イベントでにぎわうJR熊本駅の在来線新駅舎

イベントでにぎわうJR熊本駅の在来線新駅舎=2019年3月16日、熊本市西区

熊本県が事業主体となって進めてきたJR熊本駅(熊本市西区)の在来線の新駅舎が2019年3月16日完成しました。2011年3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開業後も、白川口(東口)を中心に駅一帯の整備事業が続いています。今回の駅舎完成を含め、今後3年間で駅周辺の開発が一気に進みます。熊本日日新聞の掲載記事を中心に、熊本駅一帯の現状と今後の整備計画を分かりやすくまとめました。

※情報は2019年4月5日現在。以下の写真はいずれも2019年3月撮影です。

安藤忠雄氏の設計、熊本城「武者返し」の風格

「熊本県都の玄関口」として1958年以降、60年以上にわたって親しまれてきた旧熊本駅舎は姿を消しました。今回完成した駅舎は4代目。建築家の安藤忠雄氏がデザインを担当。幅240メートル、高さ最大12メートルのグレーの外壁は、熊本城の石垣「武者返し」をイメージしたという曲線が大きな特徴です。

在来線駅舎の外壁

幅240メートル、高さ最大12メートルの在来線駅舎の外壁。建築家の安藤忠雄氏が熊本城の石垣「武者返し」をイメージして設計した

 

在来線新駅舎の内部

木材が使われた在来線新駅舎の内部

 

在来線新駅舎の外壁下の通路

在来線新駅舎の外壁下の通路。曲線的な造形を見せる

在来線の高架化事業、18年かかって完了

新駅舎の完成で、駅周辺の在来線を新幹線のように高架化する県の「連続立体交差」事業は全て完了しました。この事業は2001年度に着手。熊本市中心部のJR鹿児島線と豊肥線の6キロ区間を高架化して鹿児島線と豊肥線の発着を集約するとともに、周辺の踏切15カ所をなくしました。総事業費は約626億円で、うち駅舎整備には約24億円をかけました。

2018年3月には、高架化に合わせて駅構内に商業施設「肥後よかモン市場」もオープンしました。

今後、県都の「陸の玄関口」整備は駅前広場の工事に取り組んでいる熊本市とともに、三つのビルを建設するJR九州に“主役”が移ります。

熊本駅周辺開発計画の位置図

商業施設、シネコン、ホテル 熊本駅ビル(2021年春開業予定)

JR九州の開発の目玉が博多駅に次ぐ規模となる「熊本駅ビル」です。白川口の駅前広場の南側にある、JR九州ホテルなどがあった敷地1万9千平方メートルに、地上12階、地下1階(延べ床面積10万7千平方メートル)を建設します。2021年春に開業予定です。

1~7階の商業施設と9~12階のホテルはJR九州グループが運営予定で、主要施設の出店企業が決まっています。商業施設のほか、ホテルや松竹系のシネコン(複合映画館)、結婚式場が入ります。熊本を象徴するような「水と緑の立体庭園」も造ります。

松竹のシネコンは九州初出店。松竹マルチプレックスシアターズ(東京)が7階に10スクリーン、計1400席を計画しています。邦画やアニメ、洋画以外に、シネマ歌舞伎を上映。コンサートや演劇、スポーツの生中継も実施する予定です。

結婚式場を運営するのはアルカディア(福岡)。8階に「邸宅ウエディング」風の式場を設け、宴会など多目的に利用できます。
駅ビルは地上12階、地下1階で、延べ床面積10万7千平方メートルの計画です。

熊本駅ビルのフロア構成イメージ

駅北側に大型オフィスビルも(2020年冬開業予定)

またJR九州は、白川口の駅前広場の隣接地に大型のオフィスビルを建設します。2019年夏に着工、2020年12月ごろに開業予定です。2021年春に開業する熊本駅ビルと合わせ、駅周辺のにぎわいづくりを目指します。

計画では、広場北側の3800平方メートルの敷地に、12階建て延べ床面積1万7千平方メートルのビルを建設します。1~3階(延べ3500平方メートル)を商業施設、4~12階(同1万平方メートル)をオフィスとして貸し出します。ビルは駅の通路に直結し、通勤や出張の利便性の高さを売りに入居する企業を集め、鉄道や商業施設の集客も図ります。オフィスだけで約千人の利用を想定しています。

オフィスビル

さらに新幹線口がある駅西側には、5階建ての賃貸ビルを建設する計画です。現在は駐車場となっている敷地1690平方メートルを活用して、低層階を店舗、上層階をオフィス向けに貸し出します。JR九州は、熊本駅ビル開業の前後に完成させたいとしています。

このほか、駅ビル周辺には高層マンションの建設計画があるほか、駐車場を3カ所(計2100台)整備します。既に530台収容の立体駐車場1カ所は2019年2月に開業させました。

駅前広場を1・7倍に拡張 イベント利用も(2020年度完成予定)

一方、熊本市が2020年度中の完成を目指して進めている白川口側の駅前広場は、旧駅舎が取り壊された後の敷地を含め約1万8千平方メートルと、これまでの約1・7倍に拡張されます。新たにバスターミナルやタクシー乗降場、イベントなどに使えるオープンスペースを設ける予定です。

駅前広場予定地

完成した新熊本駅舎(上)と、バスターミナルやタクシー乗降場が設けられる駅前広場予定地(中央)

 

熊本駅白川口駅前広場整備案

オープン1年で490万人来店 「よかモン市場」が好調

JR九州が熊本駅周辺の在来線高架化に合わせて駅構内に整備した商業施設「肥後よかモン市場」が3月17日、オープン1周年を迎えました。累計の来店客は1月末時点で490万人に上り、「非常に好調」(同社熊本支社)だそうです。

肥後よかモン市場

開業1周年を迎えたJR熊本駅構内の商業施設「肥後よかモン市場」

高架化で生み出された空間を利用し、既存の商業施設を拡張してオープン。駅利用者らが待ち時間などに気軽に立ち寄れるように飲食店を充実させました。

現在、約60店舗が入居しています。既存の商業施設時代から入居しているハム、ベーコン店の阿蘇ナチュラル・Jファーム(南阿蘇村)は「よかモン市場に変わって売り上げが3倍に増えた」と話しています。

「肥後よかモン市場」の店舗については、「クロスくまもと」で2回にわたって特集しています。こちらをご覧ください。

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