玩具駄菓子問屋「むろや」(熊本市新町) 奥の扉を開けるとそこはおじさんのワンダーランド

玩具駄菓子問屋「むろや」(熊本市新町) 奥の扉を開けるとそこはおじさんのワンダーランド

ぶらり新町・古町

むろや

玩具駄菓子問屋の「むろや」。新鳥町商店街の真ん中にある

武士がたしなみの一つとして鳥を買い求めた旧新鳥町。商店街の真ん中当たりに玩具駄菓子問屋の「むろや」(熊本市中央区新町)がある。記者が心を引かれたのは、駄菓子の品ぞろえの多さ。その種類約1000‼ 子ども時代の昭和に戻ったような気がした。

「むろや」には、駄菓子コーナーが2カ所ある。一つ目は会計近くの一角にある「子ども向け」の駄菓子売り場。チーズあられ(30円)、ミルクボーロ(20円)が棚に置かれていて、これでも十分楽しい。

子ども向けコーナー

駄菓子がたくさん並ぶ「子どもさんコーナー」

「倉庫へは子供だけの立入は禁止!」と注意書きが張られた、近くの木の扉をこわごわ開けると、そこはおじさんのワンダーランドだった。

倉庫への入り口

注意書きの張られた倉庫への扉を開けると…

迷路のような倉庫に背の高い棚がずらり。40畳分ほどの広さがありそうだ。あめやガム、スナック菓子が所狭しと置かれている。

まず目についたのが「ココアシガレット」。ココア味の砂糖菓子だ。小さな紙巻きたばこの形状で、たばこを吸うような格好ができるのがちょっと悪っぽくて人気だった。口にしてみたら、すごく甘くて驚いた。大阪のメーカーから仕入れるそうだ。

「ホップライス」は米で作ったお菓子。さくさくの食感だ。学校の帰りに駄菓子屋で買ったような気がする。甘さ控えめで、いまでもおいしい。こちらは名古屋から仕入れた。小さいころよく口にした「オレンジガム」もあった。昭和39年生まれの記者には、夢のような世界だ。

駄菓子、駄菓子、駄菓子

どこを見ても、駄菓子、駄菓子、駄菓子

お店に中学生の一団がやってきた。「本当は子どもはだめだけど、入っていいぞー」と店主の荒井正俊さん。短髪の子どもたちは倉庫で「ジャガ塩バター」をまとめ買いして、笑顔で店を後にした。

「あいつらは、悪い子じゃないからね。目を見れば分かる」と荒井さん。子どもを倉庫に入れるのはまれ。万引に手を焼いた時代もあった。

店主の荒井正俊さん

中学生の一団を招き入れる店主の荒井正俊さん

昭和30年代に来客は1日に100人以上あったが、今はその半分もない。昭和を懐かしむ中高年や町内会や駄菓子居酒屋がまとめ買いする姿がちらほら。

少子化で子どもの外遊びも減った。「採算が合わなくてさ」とつぶやくが、やめる気はないようだ。「子どもの成長を見ることができるからね」

店には駄菓子だけではなく、端午の節句やひな祭りの人形も並ぶ。時代に合わせミニ四駆の小さなサーキットまで作ったこともあった。ミニ四駆に凝っていた子どもが大きくなって、近くに居酒屋を出店。招かれたときは、うれしかったそうだ。

広い売り場を持つ駄菓子問屋は九州に数えるほどしかないという。駄菓子屋は子どもたちの社交場だった。同級生や年上の子どもが処世術を、大人がマナーを教えてくれたような気がする。

奇跡のような店が新町にはまだあった。

「むろや」 店舗情報

住所 熊本市新町4丁目2-40

アクセス 熊本市電「新町」電停から徒歩2分
営業時間 9時~17時
定休日 不定休
電話 096-354-6083
公式HP https://muroya.jp/

※店舗情報は2019年5月27日時点です。

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