熊本市中心街にフィットネスジム続々オープン 健康志向の高まり背景

熊本市中心街にフィットネスジム続々オープン 健康志向の高まり背景

熊本市中央区の中心商店街一帯にフィットネスジムが増えています。一巡してみて確認できたのは出店予定を含め、10カ所。健康志向の高まりが背景にありますが、消費者の関心が「モノ」から「コト」へとシフトする中、リピーター確保などを狙って商業施設に組み込む動きも目立っています。

※2019年5月16日付熊本日日新聞朝刊掲載。情報は掲載日時点のものです。

消費者の志向がモノからコトへ

ワールドウイング

鶴屋百貨店が2019年5月15日、鶴屋パーキング1階にプレオープンさせたフィットネスジム「ワールドウィング熊本」

鶴屋百貨店は2019年5月15日、鶴屋パーキング1階にフィットネスジム「ワールドウィング熊本」をプレオープンさせました。体への負担を減らしながら関節の可動域を広げることができるという運動器具を導入。アスリートから高齢者まで幅広い世代の利用を目指しています。

本オープンは6月中旬。ジム開設には「買い物だけでなく、健康のため鶴屋に行くというコト消費を充実させたい」(久我彰登社長)との考えが底流にあります。

一方、9月に開業予定の桜町再開発ビルには業界大手セントラルスポーツ(東京)が県内に初出店します。「フィットネス需要の高まりと、まちなかにあるという立地を踏まえて誘致した」と再開発を手掛ける九州産業交通ホールディングス。利用者に頻繁に通ってもらい、周辺での消費につなげるのが狙いです。

地図

買い物客、サラリーマン、自分磨きの女性…

商業や業務機能が集積する熊本市中心部の「まちなか」に立地するフィットネスジムは買い物客はもちろん、仕事の前後に体を動かしたいサラリーマンらのほか、自身に磨きをかける女性も取り込んでいるようです。

草葉町のフィットネスジム「ゴールドジム上通熊本」は最近、目標の体形を目指す女性の入会が増加傾向だそうです。

平日と土曜は営業時間が午前7時~午前0時と長いことから、出勤前や仕事帰りにランニングマシンなどを利用できます。近くに住む自営業女性(47)は「体形維持のため週2、3回、空き時間に通っている。ここに来ないと生活リズムが狂う」と話し、足早にトレーニングに向いました。

上通町と新市街に施設を構える「RITA-STYLE」は2~3カ月間のプログラムを専属のトレーナーがマンツーマンでサポートするスタイル。倉崎美紀取締役によると、顧客の8割が女性。子育てが一段落した主婦の利用も少なくないということです。

東京五輪の正式種目「ボルダリング」も

体を動かす対象はランニングマシンやベンチプレスなどに限りません。上通町の「ガンマウォール上通」を訪ねると、カラフルな突起が付いた壁をよじ登る親子連れや男性グループ、女性客でにぎわっていました。

ボルダリングと呼ばれる競技で、東京五輪の正式種目「スポーツクライミング」の一つ。小学生の次女と訪れていた常連の会社員柴田雅博さん(46)=中央区国府=は「達成感があり、日常を忘れるほど面白い。これまで中心商店街には買い物や飲食のために来ていたが、今はボルダリングを中心に予定を組んでいる」と笑顔で話しました。

ボルダリング

ボルダリングを楽しむ親子連れなどでにぎわう「ガンマウォール上通」=熊本市中央区

「都心回帰」の動きも関係

2019年版九州経済白書によると、九州のフィットネスジムの事業所数は2016年時点で345カ所。2001年の169カ所から2倍以上の伸びを示しました。プールなど大型設備がない場合の初期投資が約1600万円と、比較的安価な点も増加している要因だそうです。

白書をまとめた九州経済調査協会(福岡市)の片山礼二郎調査研究部長は中心商店街への立地が進むことに「都心に人が住むようになる『都心回帰』の動きも関係している」と指摘。「消費者の志向がモノからコトへと変化し、商業施設側も魅力を高めるための機能とみているのではないか」と話しています。

最近の「フィットネスジム」

九州経済調査協会のまとめによると、従来からあるプールやスタジオなどを備えた標準型以外に、会費が安く手軽に参加できるロープライスクラブや医学の知見に基づき運動するメディカルクラブなど、内容やターゲット層を絞り込んだ専門特化型も多く誕生しています。

熊本市中心部にある施設の利用料は形態によってさまざま。月会費は数千円から1万円程度が多く、専属トレーナーが指導するタイプでは2カ月で20万円超などのメニューを用意しています。

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