熊本城下流れる坪井川 源流まで23キロ、自転車で気ままに走ってみた 地元グルメも満喫

熊本城下流れる坪井川 源流まで23キロ、自転車で気ままに走ってみた 地元グルメも満喫

ゆるっとチャリ旅

熊本県内でサイクリングコースの整備が相次ぐなど、自転車があらためて注目されています。ゆっくりとしたペースで熊本市近郊などを走って、立ち寄りスポットを紹介します。

今回のコースは、熊本市中心部を貫く坪井川沿い。古くは熊本城の守りや水運に利用され、今では市民の憩いの場として親しまれている坪井川をもっと知ろうと、河口の百貫港(西区小島下町)から北区改寄町(あらきまち)の源流まで全長23キロを、気ままにたどってみました。途中、気になったグルメも楽しみながら―。(読者・NIEセンター、鹿本成人)

※2019年4月12日付熊本日日新聞夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点のものです。

川の恵みでノリが上質に 河口の港をスタート

地図

赤い線が今回の走行ルート。番号で表示しているのが、写真入りで紹介する立ち寄りスポット【MEMO】走行距離:27キロ、走行時間:1時間35分、平均時速:17キロ、所要時間:3時間35分(サイクルコンピューターなどによる)

まず百貫港で出会ったのは、前小島漁協組合長の長松清喜さん(71)=西区小島。「坪井川が運ぶ栄養のおかげで、河口近くの海では良いノリが育ちます」と長松さん。いつも食べているのりと坪井川に関係があるとは知りませんでした。小さな“発見”がうれしい。

百貫港

①スタート地点の百貫港。漁船が出港の準備をしていた=熊本市西区小島下町

店先でいきなり団子、お城見える席でオムハヤシ

海風を背中に受けてペダルも軽く走りだしました。砂利道を避けるため一部で右岸の県道237号(小島新町線)を通りますが、西区蓮台寺の白坪小まで左岸の川沿いを走行。車も少なく走りやすいです。

白坪小で坪井川を離れて県道227号(並建熊本線)を北上。この先の市街地は川沿いの道が少なく、商店やマンションの間を縫うように走ります。

店頭のいきなり団子につられて止まったのが、菓子店「くま純」(中央区新町)。蒸したてをほおばると上品な甘さ。店長の有田いずみさん(43)は「春、店の裏手の坪井川沿いの桜並木は、見事ですよ」と教えてくれました。

「くま純」の有田いずみ店長

②いきなり団子を薦める菓子店「くま純」の有田いずみ店長=中央区新町

再び走り出して5分ほど進むと、市民会館シアーズホーム夢ホール(中央区桜町)に。おいしそうな気配に誘われて館内の「勧業館食堂」へ。専務の坂本隆之介さん(42)によると観光客も多く、「坪井川と熊本城が見える席から埋まります」。川を眺め、お薦めの「オムハヤシ」を味わいました。

勧業館食堂の「オムハヤシ」

③勧業館食堂の「オムハヤシ」。坪井川沿いの石垣を眺めながら味わえる=中央区桜町

市街地~田園地帯 源流は竹林の小さな池

市街地を抜けると、一気に視界が開けました。坪井川緑地(北区清水町)です。ウオーキングを楽しんでいた木村英治さん(82)=中央区黒髪=は「水辺にシラサギやムクドリ、ヒヨドリなど野鳥が集まり、散歩には良いところですよ」。

この先は田園地帯が広がります。スマートフォンの地図を頼りに走る川沿いの道は平たんで快適です。ところどころに、田畑へ水を流す取水堰(ぜき)が見えます。

やがて北区改寄町の立石集落に入りましたが、源流が見つかりません。家庭菜園を耕していた牛嶋修さん(72)に声を掛けると、「源流の近くでは、子どものころ水遊びをしたものです」と、思い出を話してくれました。牛嶋さんに教わり、行きすぎた道を戻りました。

坪井川源水点「水口」の池

④熊本水遺産に登録されている坪井川源水点「水口」の池=北区改寄町

源流は、竹林に囲まれた小さな池でした。熊本市の水遺産の登録を示す看板以外は、とりたてて特徴はありません。それでも全長23キロの坪井川が田畑を潤し、市民に安らぎを与え、海産物を育んでいると思うと感慨深いものです。しばらく池を眺めて帰途に就きました。

【お気に入りの1枚】 橋上から復旧進む熊本城の雄姿

旅の一枚
今回の「チャリ旅」のベストショットがこの1枚。中心市街地には坪井川にかかる橋がいくつもあり、橋上で止まって眺める風景には“川のある街”の風情を感じることができます。中央区新町の船場橋からは、立ち並ぶビルの横を流れる坪井川の向こうに、熊本地震からの復旧が進む熊本城の姿が見えました。

走行ルートと立ち寄りスポット

※地図上の走行ルートは、GPS機器で位置情報を把握した主要ポイントをつなげたものです。あくまで目安であり、詳細でみると、実際の走行ルートと一致しない部分もあります。

【サイクリング楽しむためのプチ助言】 自転車は左側通行 「車の仲間」と意識して

左側を走るよう呼び掛ける看板

自転車に車道の左側を走るよう呼び掛ける看板=熊本市中央区

道路交通法に従って自転車で車道の左側を走っていると、しばしば逆走してくる自転車と正面衝突しそうになり、危険を感じることがあります。

自転車は「軽車両」に該当し、原則として「車道の左側」を走るよう法律で定められています。それなのになぜ、正面衝突しそうになるのでしょうか。

原因の一つとして、原則として道路の右側を通行するよう定められている歩行者との混同が考えられます。免許が不要な自転車は、ルールを学ぶ機会が少ないため歩行者の意識のまま乗り、車道の右側を走る人が目立つのかもしれません。

自転車は、信号や一時停止、徐行など、自動車では当たり前の規則を守る必要もあります。車の仲間の「軽車両」だと意識すると、安全で快適に走ることができます。(熊本県サイクリング協会・平川智美)

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