熊本市民の「オアシス」江津湖 自転車で1周 水面渡る風、カフェも魅力 

熊本市民の「オアシス」江津湖 自転車で1周 水面渡る風、カフェも魅力 

ゆるっとチャリ旅

自転車でゆっくりペースで熊本市近郊などを走り、立ち寄りスポットを紹介するシリーズ「ゆるっとチャリ旅」。水辺が恋しい夏を迎え、水面を渡る風を感じながら走ろうと、今回は熊本市民の「オアシス」と言われる江津湖を1周してみました。(熊本日日新聞社読者・NIEセンター、鹿本成人)

地図

赤い線が今回の走行ルート。番号で表示しているのが、写真入りで紹介する立ち寄りスポット(各写真の説明文に番号)

※2019年6月14日付熊本日日新聞夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点のものです。

子どもたちが水遊び 記者も人目の少ない場所で

熊本市動植物園近くの駐車場にマイカーを止めて、積んできた自転車を組み立てました。車輪の固定とブレーキの利きを確かめて、湖を反時計回りにスタート。日差しは強いですが湖上を吹く風は涼しく、すれ違うランナーや木陰のベンチで休む高齢者も、気持ち良さそうです。

水前寺江津湖公園・上江津地区にある「みんなの広場」では、高山大空(りく)君(5)=熊本市東区=が、水遊びに夢中でした。両親の定次さん(44)と久美子さん(39)は、水に飛び込んだり石を積んだりして楽しむ大空君に、目を細めます。

その近くでは幼稚園児一行が園外活動中。引率してきた熊本YMCA学院(同市中央区)児童福祉教育科2年の高野椋さん(19)は「実習授業の一環で来ましたが、園児と一緒に本気で水遊びを楽しんでしまいました」。

加瀬川

①江津湖につながる加勢川の水の中。透明な水の向こうに魚の姿も見えたが、カメラを向けると逃げてしまった

こうなると、記者も水遊びしたくなります。人目の少ない芭蕉園付近で、少しだけ水に入ってみました。防水カメラで水中撮影すると、青く透明な水。以前、水質悪化が問題になったこともあるようですが、きれいに感じられます。

ボートハウスのオープンカフェで水分補給

県立図書館近くで橋を渡り、湖の西側へ。水分補給のために、江藤ボートハウス(東区江津)のオープンカフェに立ち寄りました。マネジャーの江藤啓貴さん(31)は「街の中に美しい水辺があるのは、熊本ならではです」と話していました。

ボートハウス

②「子どものころの江津湖は、水量も豊富できれいでした」と話す江藤ボートハウスの江藤啓貴さん

湖面に浮かぶ貸し出し用の白鳥形ボートを見て「自転車と同じ足こぎペダルだ」と親しみを感じましたが、中年の記者1人で乗るのは恥ずかしく、コーヒーを飲み終えて先へ進みます。

究極の「江津湖グルメ」? 神社で湧き水をひとくち

下江津菅原神社

③下江津菅原神社の境内には湧き水があり、飲むことができる

国道57号(通称東バイパス)を渡り、東区下江津の下江津菅原神社へ。さい銭を上げて手を合わせ、手入れの行き届いた境内の湧き水をひとくち。柔らかな味わいに「これこそ究極の江津湖グルメかも」と満足。

湖を望むテラス席が人気 カフェでランチ

タンポポ

④カフェ「TANPOPO」のランチ。地元産野菜たっぷり

湖の南端、東区広木町のカフェ「TANPOPO(タンポポ)」は、湖を望むテラス席が人気です。10年前、眺望に魅せられて開店したオーナーの森正之さん(49)は、「キッチンからも湖が見えて、毎日気持ち良く仕事できます」。地元産トマトをたっぷり使ったピザを食べて走行を再開し、残る区間を走り終えました。

今回は立ち寄れませんでしたが、古い民家を改装した和風カフェ「湖桜茶寮(こざくらさりょう)」(TANPOPOから北西に500メートル)など、江津湖周辺には眺めの良いスポットが多くあります。「また来よう」と思いながら、マイカーに自転車を積み込みました。

【お気に入りの1枚】 白い花のじゅうたんは「街なかリゾート」

シロツメグサ

熊本市動植物園近くで見つけたシロツメクサの群落。湖畔に広がる白い花のじゅうたんは、どこかのリゾート地のようです。わざわざ遠くへ出かけなくても楽しめる「街なかリゾート」に、ありがたさを感じました。

走行ルートと立ち寄りスポット

今回の「ゆるっとチャリ旅」で1周した江津湖はサイクリングロードや遊歩道が整備されていますが、小さな子どもが遊んでいる場所もあり、一部で自転車を押して歩きました。美しい景色を楽しみながら、ゆっくりと走りたいコースです。

【MEMO】走行距離=10キロ、走行時間=1時間、平均時速=10キロ、高低差=0メートル、所要時間=3時間30分(サイクルコンピューターなどによる)

※地図上の走行ルートは、GPS機器で位置情報を把握した主要ポイントをつなげたものです。あくまで目安であり、詳細でみると、実際の走行ルートと一致しない部分もあります。

【サイクリング楽しむためのプチ助言】 交通法規やルール 大人が子どもに教えて

朝夕の通学時間帯には、多くの高校生が自転車で登下校する姿が見られます。高校入学と同時に、本格的に自転車に乗り始める子どもも多いでしょう。

自転車は運転技術さえ身に付ければ誰でも乗ることができます。一方で免許制度がないため、自動車と同じように交通法規の順守を求められるにもかかわらず、学ぶ機会が少ないのが現状です。

多くの子どもは、就学前後に保護者に教わり、自転車に乗る技術を身に付けます。子どもは1人で遠くへ行けるようになり、やがて通学にも使います。子どもが公道を走ることを考えると、保護者は運転技術に加えて交通法規やルールも教える必要があるはずです。

子どもの安全を守るのは大人の責務。自転車乗り入れ可能な公園や自転車専用道路で、ルールを学ぶ機会をつくってはどうでしょうか。(熊本県サイクリング協会・平川智美)

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