南海電車を運転する夢、実現  熊本電鉄の体験会に関西から多数参加

南海電車を運転する夢、実現  熊本電鉄の体験会に関西から多数参加

200形車両

熊本電鉄社員が周辺の安全を確認する中で走る体験運転の200形車両(右)。熊本電鉄が南海電鉄から譲り受け、20年以上にわたって活躍した=2019年7月7日、熊本市北区の北熊本駅構内

熊本電鉄(熊本市中央区)が開く電車の運転体験が、全国の鉄道ファンの人気を集めています。2019年7月に4回(計2日間)開催された体験会では、旧型車両「200形」を使用。この車両は、かつて南海電鉄(大阪市)が使用(当時は22000系)していたのを熊本電鉄が譲り受け、1998年12月から運行していましたが、2019年7月30日を最後に引退しました。「クロスくまもと」では、体験会の様子を熊日紙面未掲載写真を含めて詳報します。

※取材は熊本日日新聞都市圏部の山口尚久記者、情報は2019年8月1日時点です。

制服や懐中時計を持参 リアルにこだわる参加者も

熊本市北区の北熊本駅であった7月7日の体験会は午前、午後の2部に定員いっぱいの計16人が参加しました。そのうち10人は、関西から駆け付けた20代~50代の熱心な鉄道ファン。みなさん南海電鉄の沿線近辺に住んでいる方だそうです。

参加者は、熊本電鉄社員の操作を手本に約100メートルの区間を1人2往復ずつ運転しました。中には、鉄道会社の制服や懐中時計などの“小道具”を持参したり、関西の雰囲気を醸しだすため、地元の豚まん店やデパートの紙袋を置いたりする人もいました。

鉄道会社の制服姿

鉄道会社の制服姿で運転体験をする男性=7月7日、熊本市北区

電車を体験運転する参加者

体験運転をする参加者を見守る熊本電鉄社員(左)

旧型車両、人気の理由は「操作の難しさ」

体験会で使われる旧型車両は、ブレーキ操作などの難しさがかえって人気の要因になっています。鉄道会社勤務の定本健太郎さん(22)=大阪府泉佐野市=は「停車がぎくしゃくした。自己採点は50点」と苦笑しつつ、「中学時代から乗っていた南海の車両を運転する夢がかなった」と感慨深そうでした。受講生には、熊本電鉄から、オリジナルの修了証や、200形のデザインのグッズなどが贈られました。

修了証

電車内で運転体験の修了証を手渡される参加者たち

「青ガエル」の運転体験会は継続 貸し切りも可

運転体験会が始まったのは2016年11月。同年2月までに全車両が引退した旧東急電鉄5000形(愛称・青ガエル)を運転したい、という声が熊本電鉄に寄せられたのがきっかけでした。これまでに不定期で約30回開き、累計約240人が運転を体験しています。

体験会の参加料は1万円ですが、土・日曜や祝日は10人までの貸し切りに対応しています。事前予約制で3時間。基本料金4万円に1人当たり2千円が追加されます。一人きりで満喫するファンもいるそうです。今後廃車となる200形を使った体験会の予定はありませんが、青ガエルを運転するチャンスは今後もあります。

500形車両

2016年2月までに引退したが、今でも運転を体験することができる「青ガエル」=2017年10月撮影、北熊本駅構内

体験会は運賃外の収入を確保する機会でもありますが、熊本電鉄は「電車が急には止まれないことも分かってもらえる。安全運行に向けた啓発にもつながる」と利用を呼び掛けています。同社は、体験会の情報をホームページやフェイスブックで随時、発信。貸し切りの希望は常時受け付けています。

【お問い合わせ】
熊本電鉄企画営業課 TEL 096-343-3838

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