潮風爽やか上天草市 海岸沿いを自転車で 有明海や八代海眺め、天草四郎の足跡たどる

潮風爽やか上天草市 海岸沿いを自転車で 有明海や八代海眺め、天草四郎の足跡たどる

ゆるっとチャリ旅

自転車でゆっくりペースで熊本市近郊などを走り、立ち寄りスポットを紹介するシリーズ「ゆるっとチャリ旅」。

海風を受けながら走るサイクリングも気持ち良さそうです。今回は、熊本県上天草市で有明海や八代海を眺めつつ、天草四郎の足跡もたどってみました。(熊本日日新聞社読者・NIEセンター 鹿本成人)

ちず

赤い線が今回の走行ルート。番号で表示しているのが、写真入りで紹介する立ち寄りスポット(各写真の説明文に番号)

※2019年8月9日付熊本日日新聞夕刊掲載。文中の情報は掲載日時点のものです。

大矢野島を時計回りに 海岸沿いのコースが人気

マイカーに自転車を積み、熊本市から上天草市大矢野町へ。天草四郎観光協会で、大矢野島を時計回りにめぐるコースを確認しました。同協会の杉本健一さん(46)は「ここ数年、中高年を中心にサイクリストが増えています。海岸沿いを走るコースが人気ですね」。

天草四郎ミュージアム

①キリスト教伝来や天草島原の乱などを紹介している天草四郎ミュージアム

続いて「天草四郎ミュージアム」を見学。キリスト教の伝来や信仰の様子、自由と平等を求める人々が天草四郎を中心に起こした「天草島原の乱」などを紹介する施設です。天草四郎について一通り学び、サイクリングをスタート。海を渡る風は心地よく、景色は最高。トンビが「ピーヒョロロ」と鳴き、漁港ではタイを水揚げする風景が見られました。

波の向こうに湯島 「天草島原の乱」の歴史に思いはせる

湯島

②上天草市の大矢野島から眺める湯島。背後に島原半島が見える

やがて波の向こうに島影が見えてきました。湯島です。1637年10月の天草島原の乱に先立ち、各地のキリシタンが集まって天草四郎を総大将とすることを話し合ったとされ、別名「談合島」とも呼ばれます。美しい風景に刻まれた戦いの歴史に、少し心が痛みます。

大矢野島の北西部から島の中心を抜け、島東部へ。ここでバス停「四郎丸」を発見。近くの人に天草四郎との関係を聞きたかったのですが、人影は皆無で商店も見当たりません。謎を謎のまま残して、先へ進みました。

四郎が通ったかも? 急坂の先には素晴らしい眺め

天草四郎が通ったかもしれない道

③維和島にある「天草四郎が通ったかも知れない道」。海岸から標高120メートルの高台まで、急坂が続く

海に架かる西大維橋と東大維橋を渡り、大矢野島から維和島に入りました。目当ては「天草四郎が通ったかも知れない道」。ネーミングがユニークです。海辺の民家の庭先にいた女性に尋ねると「島中心部の高台に続くこの坂道が『かも知れない道』ですよ」。ただ、記者が自転車で来たことを告げると「急坂で、自転車ではとても無理」と忠告されました。とはいえ、上らずに帰るのも悔しい。ところどころで自転車を降りて押し、標高120メートルの高台にたどりつきました。

苦労して上ったかいがあり、眺めは素晴らしかったです。天草の島々に加えて、島原半島や宇土半島もよく見えます。天草四郎が同じ景色を見たかどうかは分かりませんが、約400年前、島々を見下ろしながら、圧政に苦しむ民衆を助けたいと思ったのでしょうか。

ウニやタイ…海鮮丼に大満足

本日の海鮮丼

④水天の「本日の海鮮丼」。この日は、地元産のクルマエビや旬のハモ、タイなど10種類が盛り付けられていた

帰り際に立ち寄ったのは、活魚料理の「水天」。海鮮丼を注文すると、店主の杉田正隆さんは「10種類の具材のうち、ウニやタイなど9種類は天草産ですよ」。からっぽだったおなかが満たされました。

【お気に入りの1枚】 大矢野島の西海岸「鯨道」

夕日の海岸

大矢野島の西海岸「鯨道」を走行中、夕日を眺めていた松本武大さん(74)に出会いました。「美しい自然と夕日にひかれて、5年ほど前に熊本市から移住しました」。鯨道は、地元サイクリストにも人気のスポット。多くの人に走ってほしいと思いました。

走行ルートと立ち寄りスポット

今回の「ゆるっとチャリ旅」で走った上天草市の魅力は、「海」に尽きます。海岸線の道はもちろん、海を渡る橋や小高い丘からの眺め、旅客船が海に描く航跡…。スポーツ自転車にまたがるとスピードを上げがちですが、景色を楽しみながらゆっくりと走りましょう。

【走行MEMO】
走行距離 43キロ
走行時間 2時間40分
平均時速 16キロ
高低差  120メートル
所要時間 5時間5分
(サイクルコンピューターなどによる)

※地図上の走行ルートは、GPS機器で位置情報を把握した主要ポイントをつなげたものです。あくまで目安であり、詳細でみると、実際の走行ルートと一致しない部分もあります

【サイクリング楽しむためのプチ助言】 紫外線対策に涼しいウエア、サングラスも

夏のサイクリングスタイル

夏のサイクリングのスタイル。涼しいウエアにサングラス、日焼け止めが望ましい

日焼けすると痕が気になりますし、直射日光に当たり過ぎると体力低下につながります。日本人は欧米人と比べて紫外線に強いといわれますが、環境の変化とともにダメージが増加しているようです。

走りながら常に風を受けるサイクリングは、他の屋外スポーツに比べて熱中症になりくいとされますが、油断は禁物。水分をしっかりとり、特に直射日光が当たりやすい後頭部(首筋)に注意してください。

日焼け止めをこまめに塗るのはもちろんですが、最近は紫外線対策を施した素材のウエアがたくさんあります。清涼感のあるウエアもあります。

紫外線から目を守るサングラスも大切です。虫よけにもなり、寒い冬には涙が出るのも防ぎます。一年中役立つサングラスは、できれば高品質なものをお薦めします。(熊本県サイクリング協会・岩永茂利)

CATEGORIES
TAGS