人気の揚げかまぼこ「てんぴら」に舌鼓 熊本市新町「和田かまぼこ店」

人気の揚げかまぼこ「てんぴら」に舌鼓 熊本市新町「和田かまぼこ店」

ぶらり新町・古町

和田かまぼこ店

新町の和田かまぼこ店=熊本市中央区

熊本市中央区唐人町から新呉服橋を渡ったすぐ角に、「和田かまぼこ店」(同区新町)がある。魚(ギョ)ロッケ、角天、チーズ巻きが大人気。お弁当や酒のつまみにとても合う総菜がずらりと並んでいる。

「なんさま、こん魚ロッケば、食べてはいよ」。和田則憲さん、由美さんご夫妻(ともに63歳)が最初に一番の売れ筋商品を出してくれた。

魚のすり身とタマネギで作った〝コロッケ〟だ。由美さんの勧めで、何も付けずにそのまま食べた。さくさくだ。「ハダグイ(そのまま食べること)で食べられるけん。よかばい」と由美さん。1日150個も売れるという。

魚ロッケ

人気の「魚ロッケ」

次に出していただいたのが「角天」。いわゆるさつま揚げだ。さっぱり味。大きいので食べ応えがある。きつね色が食欲をそそる。揚げている間に、甘味料が衣の色を演出してくれるそうだ。

「うちんとにゃ、保存料、卵白は使わんもんね」と則憲さん。

「てんぴら?」と首をかしげていると、「揚げたかまぼこのことを『てんぴら』もしくは『てんぷら』と言うんだよ」と教えてくれた。

三つ目は「チーズ巻き」。乳白色の衣に、魚のすり身とチーズが合わせてある。どれも一つ110円だ。

角天、チーズ巻き

「角天」(左上)「チーズ巻き」(真ん中)も人気がある

お客さんは方々から来てくれる。子供の頃に弁当に入っていたので懐かしい、おでんの具に最適―、人気の理由は人それぞれだ。

商品は店で販売するほか、熊本市内のスーパーにも卸す。熊本市中心部にある野菜店は「できるだけ被災地の商品を店頭に出したい」と扱ってくれることになった。

創業約50年。当時、市内にはたくさんのかまぼこ店があった。特に新町には卸売市場があったころには、競合店がたくさんあったそうだ。

結婚式用にかまぼこで鶴亀などの縁起物をつくる、いわゆる「細工物」を扱っていたこともある。板付きの、いわゆる「かまぼこ」も年末にしか扱わなくなった。

気軽に食べられる「てんぴら」を買ってくれるお客さんのために。一家の作業は早朝から始まる。

◇ ◇ ◇

後日の朝6時。朝が早い「和田かまぼこ店」を再び訪ねた。由美さんは昨夜から塩を加えて練った魚のすり身を準備。傍らには具に使うタマネギやニンジン、ゴボウ、エビが並ぶ。

すり身をまぜて柔らかくする作業が始まった。機械には「擂潰機」と書いてある。まさに、すって、つぶすようだ。

まぜる

擂潰機でまぜる

御影石のウスが左に、すり身をまぜる3本の棒が右に回る。作業が始まると、則憲さんはタイミングをみて直接手ですり身の感触を確かめる。デンプンを水に混ぜては、ウスに入れる。季節によって水の量を調整する。冬場は冷たくてきつい作業だ。すり身がどんどん大きくなる。20分ほどで出来上がり。

それを今度はまな板に載せて、大量のタマネギとあえる。一味唐辛子も大胆にかける。具材を型に入れては分けて、油に入れる。長男の康宏さん(35)も手伝い、一家総出だ。

一家総出

一家総出で朝から大忙し

康宏さんは「うちんごた店は数が少なくなった。対面販売も珍しかけん」と店を継ぐ構えだ。

今回も出来たての魚ロッケをいただいた。ほかほか。さくさく。一味唐辛子がぴりっと効いている。

魚ロッケを片手に散歩しながら帰路についた。早朝に下町を走るランナーたちには、変なおじさんに映ったかもしれないが、楽しかった。

和田かまぼこ店

住所 熊本市中央区新町2-14-9

アクセス 熊本市電「呉服町」電停より徒歩3分
営業時間 7時~18時半
定休日 日曜、祝日
電話 096-352-5950

※情報は2019年8月19日時点です。

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