開業して40年以上 昭和の雰囲気味わって 銀杏北通り「スタンド 四季」編

開業して40年以上 昭和の雰囲気味わって 銀杏北通り「スタンド 四季」編

スナックのママ物語

熊本市のネオン街にあるスナックのママさんたちが、月替わりで、夜の街のエピソードを語る、大好評の熊日連載「ママさんぽ~熊本のスナックめぐり」(毎週金曜夕刊「街・まち」面)。

「cross kumamoto(クロスくまもと)」では、各月分を1回にまとめ、未掲載の写真や、お店に関する情報、熊日紙面に登場したことへのママさんの感想などをプラスしてお届けします。

今回は、2018年7月に掲載した銀杏北通り「スタンド 四季」 の野口和子さん(70)の「ママ語り」です。

※店舗情報は、2019年8月28日時点です。来店する際は事前に確認してください。

野口和子さん

「スタンド 四季」を40年以上切り盛りしている野口和子さん=2018年6月12日、熊本市中央区花畑町

〈第1話〉 角栄の「列島改造論」の頃 どの店もにぎわっていた

「スタンド 四季」の入り口

ネオンの看板に年季を感じさせる「スタンド 四季」の入り口

私が夜の仕事を始めたのは昭和40年代後半、22歳の時です。バツイチで、その当時は女性が1人で生活するには、こぎゃん仕事しかない時代だけんね。ちょうど同じ境遇の友達がいて、一緒に銀座通りにあった「クラブ優雅」で働くようになりました。

当時はクラブとキャバレーばっかりでした。居酒屋は少なかったから、お客さんは今と違って1次会からクラブに来よんなはったとですよ。そして帰りに、ご飯を食べて帰る感じでした。景気が良く、ガチャガチャにぎわってた時代です。店の名前は「優雅」だけど、全然優雅じゃないって言われるくらい忙しかったですよ。

昭和48(1973)年に独立して、スタンドを開きました。今でいうスナックは、当時「スタンド」と呼ばれていました。素人さんが店をやっても、にぎわう時代だったっです。田中角栄さんの日本列島改造論てあったでしょう。その頃ですからね、どこもにぎわってたんです。そして独立から3年後に2軒目として今の店を出しました。

(2018年7月6日付掲載)

〈第2話〉 歌はちょっと苦手、デュエットだったら

店内

昭和の雰囲気が漂う「スタンド 四季」の店内

私がこの店を出したのが昭和51(1976)年。その頃からですよ、カラオケがはやりだしたのは。それまでは歌おうなんて夢にも思わん時代でした。バンドに合わせてお客さんが歌う、のど自慢大会みたいなのをやるお店はありましたけどね。

私はうるさくなるのが嫌だから、たいがいまでは頑張っとったバッテン、お客さんに「ここはカラオケのなか」て言われるけん、入れたっです。その頃は、今みたいなテレビじゃなくて、カセットを「ガチャ」って入れてね。そして本をね、見ながら歌いよったです。

私は歌が下手くそだから。あんまり歌いません。デュエットだったらね、ちょっと歌うときもありますけど。「居酒屋」とか「銀座の恋の物語」。今、うちのお客さんは60~80代ぐらいですから、歌うのは私たちが若い頃のムード演歌です。クールファイブとか裕次郎とかね。そんな感じの歌ですよ。

(2018年7月13日付掲載)

〈第3話〉 「父が入院、お金貸して…」 人を信じ、だまされて

30年前、40歳の野口和子ママ

浮いた話ですか? そりゃあね、ありましたよ。ある人と30年ぐらい付き合いました。いろんなことを教えていただきましたね。私はすぐ人を信じるところがあって、「人を見る目がない」ってよく怒られました。

そう言われれば確かに、人にだまされたことはあったんですよ。店を始めた頃、雇って間もない女の子が「お父さんががんで入院したから、すいませんけど20万円ばかりお願いします」って言うけん、もうなんかかわいそうでね。貸したら、明くる日から全然来んだった。聞いてた自宅の住所もうそで、私が行ってみたらお寺だったんです。

昔は、店に新しく女の子が入る時は、お金の工面をすることが普通でした。例えば、女の子が別の店から移って来る時、前の店に借金があれば、次の店が立て替えんといかんだったっです。だから、当時はそういうの(詐欺の類い)が結構あったみたいですね。今はね、うちの女の子たちは、とてもよくしてくれるんですよ。

(2018年7月20日付掲載)

〈第4話〉2人で十数万円… 増えた〝ぼったくり〟店

ほら、ちょっと前テレビで取り上げていたでしょう。「(客引きに)引っ張られていって、ぼられた」て。前はあんなの熊本ではなかったのにねえ。警察がしっかりしてるから、そういう店は続かなかったんです。

最近ですよ。うちのお客さんも「ぼったくられた」て言いよんなはった。ほかにもね、うちの女の子が聞いた話じゃ、若い男の子が2人で十何万円払わせられたて。地元じゃなくて、よそから来た人(の経営する店)が多いみたいね。熊本は評判が悪くなりますよ。

昔はね、警察がうるさかったっですよ。私がお店を始めた頃は、(風俗営業法の営業時間規制で)夜の12時ぐらいに警察が回って来てたんです。花畑派出所に2回ばかり始末書を書きに行きましたよ。「3回目になると営業停止になるけんね」て言われましたね。最近は警察も忙しかっでしょうね。

(2018年7月27日付掲載)

野口和子ママにインタビュー

野口和子ママに、熊日紙面に登場した反響や、お店の特徴などを聞きました。(2019年8月22日)

野口和子さん

「昭和の雰囲気を楽しんでください」と話す野口和子さん

――熊日の夕刊に登場していただいて、反響はありましたか?

和子ママ 何人かのお客さんが、「読んだよ」と言ってくれました。「熊日を読んで、思い出した」と、数年ぶりに店に来てくれた方もいました。うれしかったです。

――レトロなネオン看板に、重厚感ある内装。ディープな雰囲気があるお店ですね

和子ママ ビルも店内も40年以上前にオープンした時のままですからね。一枚板のカウンターに木目調の店内、「昭和」って感じでしょう。今、こんなビルや店構えは珍しくなっているんじゃないでしょうか。懐かしい雰囲気の店内で、くつろいで飲んでいただけたらと思います。

ボックス席

絵や花が飾られた「スタンド 四季」のボックス席

――長くスナックのお仕事をしてきて、よかったことは?

和子ママ お客さんの変化というか成長を見るのが楽しいです。「20年ぶりに来た」というお客さんもいます。社会人になりたての頃、会社の先輩に連れられて来店した方が、今度は会社の部下を連れて来たり。かわいい顔つきだったのに、今はいい感じのおじさん(笑い)。昔は先輩から説教されていたのが、逆の立場になったり。ほかには、年配のお客さまから「ここで飲んでいると、昔にタイムスリップしたようでリラックスできる」と言われるのも、うれしいですね。

店舗情報

住所 熊本市中央区花畑町11-29 飛鳥ビル2階

アクセス 熊本市役所、市電の「熊本城・市役所前」電停から各徒歩3分
営業時間 19時半~25時
定休日 日曜・祝日
電話 096-324-8379
システム セット料金3000円、飲み放題3000円(2時間、ビール別)
CATEGORIES
TAGS