コーヒー好きのみなさんはご存じの方も多いと思いますが、コーヒーの抽出温度としては一般的には90~95℃くらいが適しているとよく言われています。
これって実際に本当なの?って思う人もいるんじゃないでしょうか。
そこで今回は「コーヒーの温度編」と題して、コーヒーの抽出温度で味わいは本当に変わるのかを実験で検証してみました!
コーヒー味は温度だけでなく、他にもかなり複雑な要素で変わっていくのですが、今回はできる限りいろいろなものを固定して、温度だけの違いが分かるようにしてみました。
コーヒーの味わいがお湯の温度で変わるのかを検証!
まずはコーヒーを淹れる前提条件をご紹介します。
使用するコーヒー豆の種類
使用するコーヒー豆の種類がこちらになります。
ビターな味わいから爽やかな酸味のいろんなニュアンスが入っているブレンドを今回検証のために用意しました。
このブレンドしたものをすべて同じ量使用して検証してみました。
使用するドリッパーは?
使用するドリッパーもすべて「コーノ式のミディアムリブ」を色違いで3種類用意しました。
検証する温度は?
今回は10℃違いの3つの温度で検証してみました。
これらすべてを同時に抽出していきます。
抽出時間も含めて、温度だけを変えてみて、他は全く同じ条件にして検証しました。
一般的に温度が高いものは苦みが立ちます。温度が高くなるといろんな成分が出てくるからです。
深煎りのコーヒーでは、特にえぐみとか 渋みとか舌の奥の残るような重いニュアンスが出がちと言われています。
反対に温度が低すぎると、雑味だったり、重たい酸のニュアンスが出てくると一般に言われてます。
これらを飲み比べてみて、実際にどのくらい違いが出るのかや、本当にバランスが取れているものが一番美味しいのかといったことも踏まえて検証しました。
温度別の検証結果
それでは温度別の検証結果をまとめてみました!
95℃のコーヒー
95℃のお湯を入れるとわーっと大きな膨らみ方といった印象でした。
お湯を入れて時の見た目は粗い泡が多かったです。コーヒーの茶色い色が泡に出ているのも見て取れましたね。
95℃だと高温抽出なので、やはりコーヒーの色も濃く出ていました。
コーヒーの味は?
コーヒーの味は他とは別物という感じがしました。でも味はとても美味しかったです。
ブラジルの深煎りの苦味がキリッと引き締まっている感じがありますね。
全体がタイトにまとまっていて、むしろ飲みやすいかもしれません。
ただ、甘みとフレーバーが消えた後にかなり強い苦味が残っているのも感じられました。
85℃のコーヒー
85℃のお湯を入れると豆の膨らみ方もちょうどよく、上品な膨らみ方をしました。
コーヒーの味が全体的に整っていて、バランスがいい感じでした。
コーヒーの味は?
苦味もあって、ほのかに爽やかな酸味も感じられます。
バランスが取れているという意味ではこの85℃のコーヒーが一番いいと言えそうです。
75℃のコーヒー
75℃のお湯を入れると豆がほどほどに膨らんでいくという感じでした。
見た目でいうと白っぽい泡が目立ちました。明らかに他とは見た目が違いましたね。
コーヒーの色も結構薄いという印象があります。
コーヒーの味は?
まず、75℃のコーヒーを飲んでみると「他とこんなに変わるのか!」と驚きました。
一言でいうとお茶のニュアンスですね!煎りすぎて、味が出すぎた麦茶のような感じかもしれません。
ただ、全体としてはスッキリ感がかなり出ていて、口の中に入れたときのやわらかさが強かったです。
苦味というよりも甘みのニュアンスが上回っている、そんな印象でした。
総じて飲みやすかったですし、これに砂糖やミルクを入れるとコーヒーということがよく分からなくなってしまう人もいるんじゃないでしょうか。(ちなみにカフェオレやカフェラテは通常、高温で淹れて苦味を立たせたコーヒーを使うのが一般的です。これによってコーヒーの味がミルクに負けなくなるわけです。)
この75℃のコーヒーとミルクを足すと、ロイヤルミルクティーのような仕上がりの味わいになると言えば比較的分かりやすいのかもしれません。
まとめ
それでは最後に上記の内容を簡潔にまとめてみました。
今回の検証では、コロンビアとブラジルのコーヒー豆を使用し、3つの温度(75℃、85℃、95℃)で抽出を行いました。
95℃では濃く、強い苦味が感じられ、85℃はバランスが良く、苦味と酸味が程よく調和していました。
一方、75℃ではお茶のような風味で、口当たりが柔らかく、甘味が強く感じられました。
このことから温度が味に与える影響は大きく、それぞれの温度に特徴的な風味が楽しめることが分かりました!